最近、私の大学の実習施設の先生から、「急に施設見学にこられて、実習をお願いしますといわれる」とか「就職したのだから実習をさせてほしい」とか「就職させるので実習をさせてほしい」という話を聞きます。学生は学校のために動く商品ではありません。
私も長年教員をしていますが、実習施設を確保するためにいろんなことをしています。また、実習地は単に学生が就職したとかの問題ではなく、養成校の教育のコンセプトが臨床実習に反映されなければいけないわけです。
お互い、慎重になって、養成校の教員はお願いし、施設側も了解をすることが重要であると思います。
我々教員は、学生にどのようなセラピストになってほしいかを明確にして、それが達成できる施設であるかどうかで考えなくてはいけないと思います。
本学が、開設した時に大変仲の良い(今でも仲が良いですが・・)先生の施設に実習のお願いをしたことがあります。その先生には、「本学はトップダウン課程の評価で教育するので、臨床実習でもそのように指導してほしい。」、「学生には考える能力を高めて行きたいので、学生の思考過程をディリーノート、レポートで確認してほしい。」と話しました。その時に、その先生が、「鈴木先生の教育の思いは良くわかったが、我々では実現できません。将来、先生と気まずい思いになるのも嫌なので、お断りをします。」との返事でした。私は嬉しかったですね。こんなに真剣に両者が考えて結論を出すことが大切であると思ったわけです。
これから教員になる方には是非、このことをわかってほしいですね。
では・・・