「ハイチのコレラ」。大震災後にコレラが大発生、だいぶ後になってから国連PKO部隊が最初の持ち込みと認められるまで法廷闘争が続いた大騒動は渡航医学界隈でかなり有名なイベントでした。
今年2016年10月のハリケーンマシューでハイチが大規模被害を受けたという報道に接して、「ハイチのコレラ」という単語を連想した渡航医学関係者は多いと思います。
http://www.bbc.com/news/world-latin-america-37596222
そしてその連想は正しかった、正夢になったという報道。
- すでにコレラによる死亡者が13例発生、ハイチ南西部。他に63例の感染が確認されている。また、これ以外に50例が亡くなっているという非公式情報も。
- 洪水と下水が混合したのが原因とみられている。
- 今回のハリケーンマシューでは、900人以上が犠牲になっており、食糧不足につながっている。
この背景には、洪水が発生すると下水と混ざって経口感染につながってしまうというインフラ事情があります。その事情は震災のときからあまり進歩していないという悲しい現実が浮き彫りになっています。
Cholera kills 13 in southwest Haiti in wake of Matthew, dozens ill