砥石屋さんから送っていただいた資料に書いてあった「砥石よもやま話」をご紹介します。
◎ 砥石よもやま話
・ 本山(正本山)とは
本間さんという方が採掘していた山を本山と呼んでおり、今では京都府内で産出されている砥石を
総称して正本山、京都府以外を本山と呼んでいる。
・ 巣板、戸前とは
砥石層の事です。同じ巣板でも山によって質が違います。
巣板砥石は研ぎ易く人気がありますが、市場にはほとんど出回らない希少な砥石です。
・ 地を引くとは
硬質砥石は研ぎ汁が出にくく、地金で砥石をひっかき、筋を引きます。
これを地を引くと言います。硬い砥石は名倉砥石で研ぎ汁を出してから研ぐと地が引きにくい。
・ 名倉砥石とは
通称黒名倉と言われる対馬名倉(長崎県)と白名倉(名古屋)がある。
高級品としては黒名倉が一般的。砥石表面に研ぎ汁を浮かせ、滑り出しが良い。
※ 白名倉(名古屋)と資料には書いてありましたが、詳しい人から
「愛知県北設楽郡三輪村産」との指摘がありました。
・ コッパとは
通常砥石の正規サイズは幅75mm×長さ205mm×厚み30mmが基準ですが、
このサイズから外れた砥石をコッパと呼びます。
質は同じでも正規サイズに比べると価格が1/3~1/5と割安で、
長さが短くても仕上げには十分対応できます。
奥殿の正規サイズは市場価格が8万以上するものが多く、
コッパは時に人気があります。