芭蕉の句に「魚の骨 しわぶるまでの 老(おい)を見て」というのがある。
「魚の骨をしゃぶるまで凋落した生活をしている老残の身となった」
という意味だが、釣り師たるもの老残の身にならずとも、
苦心して釣った魚は供養の意味でも、余すことなく喰い尽くしたいものである。
1.6㎏のマダイの口先を丸ごと入れて潮汁にした後は…
骨の髄までしわぶりつくのは当然のこと、
鯛のウロコは素揚げして塩を振るだけで立派な酒肴になるし、
穴子の骨の素揚げなら二の句が継げないほど旨いビールの友となる。
小型のマコガレイ、イシガレイは、二度揚げすることで骨まで丸ごと頂くことができる。
口周りの部位を復元して標本に。戦利品として老後の愉しみにとっておく
今が旬のマダイ、イサキの皮を捨てるなどという愚行は、想像も及ばない。
どちらも松皮造りで見た目にも見事な刺身を堪能できるが、
引いた皮を串に巻きつけ、軽く塩を振って炙る「皮の串焼き」もオススメ。
香ばしい皮のサクッ、サクッとした食感と、身と皮の間にある脂をまとった旨みとが融合し、
なんとも言えぬ“口福感”に浸れるのだ。
お馴染み「タイのタイ」も戦利品となるが、コレの方がオブジェとして見栄えがする!?
鬼カサゴなど根魚のキモと胃袋もまた絶品。
キモは水をかけながら楊枝で血管を破り血抜きをする。
胃袋は開いて包丁の切っ先で表裏のヌメリをこそぎ落とす。
沸騰した湯の中にキモ、胃袋を入れ3分ほど湯がいたら、
すぐに氷を入れた冷水に浸し粗熱をとる。
丁寧に水気を拭き取ったら、胃袋はフグ皮のように細切り、キモはサイの目状に切り、
ポン酢・紅葉おろし・万能葱のタレの中で、キモを溶き胃袋に絡めて食せば…、
酔いどれ釣り師にとって、何も言うことはない。
いつかは夢の10㎏の大ダイの標本を作りたい
カツオの酒盗に代表されるように、内臓の酒盗(塩辛)は作るのに手間が掛かるが、
釣り師ならではの味を堪能できる逸品の酒肴となる。
良型のヒラソーダガツオ数匹分の胃袋と腸を開き、内側と外側のヌメリを包丁で取る。
これを流水にさらしながら丁寧に洗い、小さく切りつける。
心臓、キモなども血を十分に洗い落とし、細かく切る。
内臓をボールに入れて強めの塩を振り、ザルに広げて冷蔵庫以外の涼しい場所に一晩置く。
次の日、内臓から出た水分を流水で洗い落とし、水を切ってまた塩を振り掛け、
ザルに広げる。この工程を3~4回繰り返すと内臓から水分が出なくなるので、
最後にもう一度水洗いして水気を拭き取り、ビンに入れて少量の塩と日本酒を振り掛けて冷蔵庫に。
毎日1回はかき混ぜて空気を入れ、一週間から10日ほど置いて熟成させれば完成。
手塩を掛けて作る自家製酒盗の味は、ひとしお旨いのである。
ヒラメの歯。これにくわえられるイワシもたまったモンじゃない
「魚の骨をしゃぶるまで凋落した生活をしている老残の身となった」
という意味だが、釣り師たるもの老残の身にならずとも、
苦心して釣った魚は供養の意味でも、余すことなく喰い尽くしたいものである。
1.6㎏のマダイの口先を丸ごと入れて潮汁にした後は…
骨の髄までしわぶりつくのは当然のこと、
鯛のウロコは素揚げして塩を振るだけで立派な酒肴になるし、
穴子の骨の素揚げなら二の句が継げないほど旨いビールの友となる。
小型のマコガレイ、イシガレイは、二度揚げすることで骨まで丸ごと頂くことができる。
口周りの部位を復元して標本に。戦利品として老後の愉しみにとっておく
今が旬のマダイ、イサキの皮を捨てるなどという愚行は、想像も及ばない。
どちらも松皮造りで見た目にも見事な刺身を堪能できるが、
引いた皮を串に巻きつけ、軽く塩を振って炙る「皮の串焼き」もオススメ。
香ばしい皮のサクッ、サクッとした食感と、身と皮の間にある脂をまとった旨みとが融合し、
なんとも言えぬ“口福感”に浸れるのだ。
お馴染み「タイのタイ」も戦利品となるが、コレの方がオブジェとして見栄えがする!?
鬼カサゴなど根魚のキモと胃袋もまた絶品。
キモは水をかけながら楊枝で血管を破り血抜きをする。
胃袋は開いて包丁の切っ先で表裏のヌメリをこそぎ落とす。
沸騰した湯の中にキモ、胃袋を入れ3分ほど湯がいたら、
すぐに氷を入れた冷水に浸し粗熱をとる。
丁寧に水気を拭き取ったら、胃袋はフグ皮のように細切り、キモはサイの目状に切り、
ポン酢・紅葉おろし・万能葱のタレの中で、キモを溶き胃袋に絡めて食せば…、
酔いどれ釣り師にとって、何も言うことはない。
いつかは夢の10㎏の大ダイの標本を作りたい
カツオの酒盗に代表されるように、内臓の酒盗(塩辛)は作るのに手間が掛かるが、
釣り師ならではの味を堪能できる逸品の酒肴となる。
良型のヒラソーダガツオ数匹分の胃袋と腸を開き、内側と外側のヌメリを包丁で取る。
これを流水にさらしながら丁寧に洗い、小さく切りつける。
心臓、キモなども血を十分に洗い落とし、細かく切る。
内臓をボールに入れて強めの塩を振り、ザルに広げて冷蔵庫以外の涼しい場所に一晩置く。
次の日、内臓から出た水分を流水で洗い落とし、水を切ってまた塩を振り掛け、
ザルに広げる。この工程を3~4回繰り返すと内臓から水分が出なくなるので、
最後にもう一度水洗いして水気を拭き取り、ビンに入れて少量の塩と日本酒を振り掛けて冷蔵庫に。
毎日1回はかき混ぜて空気を入れ、一週間から10日ほど置いて熟成させれば完成。
手塩を掛けて作る自家製酒盗の味は、ひとしお旨いのである。
ヒラメの歯。これにくわえられるイワシもたまったモンじゃない