ゑんぢんぶろぐ

のんきそうには見えますが頭の中は不安で一杯。あまり過大な期待と責任は負わせない方が互いにとって身の為です。いやマジで。

シリーズ「読了」

2021年06月04日 00時26分40秒 | 読書
「遅れてきたランナー」
著者:灰谷健次郎

タイトルからも想像できるように著者が50歳を前にして「ランニング」の魅力に憑りつかれ、深みにハマって行く様を著したエッセイ(前半部分)。

年を重ねてからマラソンにどハマりし、こと「走り」については別人のような思考回路に切り替わる辺りかつての上岡龍太郎を彷彿とさせる(恒例超絶激古マニアックネタ)。

35ページからのホノルルマラソンに関する件では「ランナー」には「ランナーあるある」を、未経験者には「そうなのかっ!?」な新鮮な驚きを与えてくれる臨場感あふれる実況じみたエッセイとなっている。

中ほどからは主題は引き継ぐものの空気感がガラリと変わる。

第二章にあたる「淡路島座談」…著者の主義主張が強く出た鼎談は読む者を選ぶかも知れないが、言葉のチョイスや勢いはキツいモノの決して間違った事は言っていない。

125ページからの「わが『食学』考」では著者が実践する「日々の食事」についての詳細なルポが読める。コレはコレでとても参考になる。
(小声)60を前に亡くなったグルメな作家さんって誰なんだろう…?

165ページの一節…篠山紀信ってやっぱスゲー写真家なんだなぁ…といたく感心した次第(読めば同意いただけるかと)。

巻末の「沖縄・渡嘉敷島へ」では「いま、島で」「優しい時間」でも触れていた移住の詳細が語られる。

やはり著者の筆の力がモノ凄いと実感させるのは…内容がどんなに重たく、あるいは極端な志向であってもスルリと読み下せる所である。
著者の本は読むのに体力は要るかも知れないが、理解するのはさほど大変ではない。解り易く読ませる達人だと思う。


平易な文で難しい中味を伝える…事の出来ない作家は意外と多いのだ。


著者の他作品っ
「いま、島で」
「林先生に伝えたいこと」
「手と目と声と」
「優しい時間」



「満足度:◎」
◎:オススメ
◯:まずまず
△:好きな人もいるかも
×:読まない方が…
※:絶版キボンヌ

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 偽ついった〜 | トップ | 偽ついった〜 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事