ケイシロウとトークアバウト

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驚異の音魂療法

2024-11-16 21:10:00 | 日記




俺の知り合いのナオちゃんには、
重度の自閉症の娘がいる(2020年8月15日記事『ときめき精霊流し😵❓』参照)。
この娘は肥満でふくよかな顔をしているが、
普段の人たちとの感性が合わないことが、
ナオちゃん達の悩みの種やった。
この娘は、
千鳥やサンドウィッチマンが出て爆笑ネタをやると、
ナオちゃん達は笑い転げるのに🤣
娘は泣き叫んで転げ回る😭

また、
ナオちゃんの娘は、
テレビのグルメ番組を見たら食欲不振になるんやけど、
やたら増えまくるテレビのグルメ番組の昨今にあって、
遂に、
飯を食わなくなった。
娘の言い分としては、
「テレビのリポーターがたくさん美味い飯を食ってるのに、アンでわしが飯食わないかんねん」と言って、
嗚咽するんやった。
そして、
娘は放心状態になり、
ナオちゃん達との接触を拒み、
無言で過ごすことになった。

ナオちゃん達は病院に連れて行ったが、
強い感覚麻痺を起こしていることはわかっても、
肝心の治療がうまくいかないことから、
あちこちの病院を巡ることになった。
しかし、
良い治療法は見つからなかった。

ナオちゃん達は絶望😔の中、
港ツンコの病院にやって来た。
港ツンコはナオちゃんの娘をしばらく観察していた。
そしてナオちゃんに、
「あなたの娘が飯を食う方法はひとつしかないわ。けど、それは、あなた方には危険過ぎる」と言うので、
ナオちゃんは必死に、
「教えてください!どんなことでもします!」とお願いした。
港ツンコはしばらく考え込み、
「この娘に飯を食わすには、まずテレビのグルメ番組を見せないようにしなさい。そして、あなた方も飯を食わないようにしなさい」と言った。
ナオちゃんは愕然として、
「そんなことしたら私たちは死んでしまいます」と言った。
港ツンコは、
「けどそうすれば娘は飯を食い出すのよ」と言い返した。

診察室に重苦しい空気が漂い始めた時、
いきなり部屋のドアが開き、
19世紀ドイツ帝国の旗を掲げた女が入って来て、
カボチャ体型にカボチャ顔のコウコが続き、
ドイツ帝国旗に向かって胸に手を当て大声で、
ドイツ帝国歌をドイツ語で歌い出した。
港ツンコは不愉快そうに😤
ナオちゃんに、
「コイツらは先週の夕飯時に別の患者のウインナーを横取りして食いまくったので、罰として、ウインナーを当分与えないことにしたの。なのにこんな嫌がらせをして、酷いわ😡」と怒り💢で体を震わせながら説明した。

そんな時、
港ツンコは、
ナオちゃんの娘が、
コウコの歌に反応していることを発見した。
それで、
ドイツ帝国歌を歌いまくるコウコ達をそのままにして別室に行き、
港ツンコとナオちゃんの娘との2人だけの長い診察が始まり、
そして終わった。
港ツンコはナオちゃんを呼び、
「私が見つけた音魂療法で完治させます。この娘が一番敏感になる音は三味線です。三味線弾きの先生を日に三度呼んで弾かせなさい。この娘は飯を食います」と説明した。

この日からナオちゃんは、
三味線弾きの女性を呼んで、
三味線を弾かせた。
すると娘は飯を食いまくった。
三味線の音色が止むと、
娘も箸🥢を置いた。
こうして、
日に三度の三味線弾きが来て三味線弾きまくり、
娘は飯を食いに食った。
が、
三味線弾きへの支払いに懐が心細くなるナオちゃんに対して、
三味線弾きの女性は、
金が無くて食い物の無い状態で、
三味線崩して三味線を食おうとしていたところを、
こうして三味線弾きの仕事が入り、
うれしくてたまらなかった。

ナオちゃんは現在、
近所の人たちに、
朝昼晩の三味線弾きライブと称して、
呼びかけて、
多くの近所の高齢者が喜んでライブ代300円を払うことで、
この三味線による音魂療法を続けているという。