先般、仙台国際センターで県民講演会があり仙台管区気象台の気象防災情報調整官らから「大雨災害から身を守る」と題する講演を聴いた。確実に気候変動が進み温暖化しつつあり、我国においては過去100年あたりの平均気温が1.4。上昇しているという、世界平均は0.8度なのでそれより0.6。高い。
気温が高くなると水蒸気量が増えて降水量が多くなる。
また我国周辺の海水面温度が最近約1度上昇しこの結果近年の集中豪雨による大規模災害が発生している。
また、年間降水日数は減少しているものの、逆に降水量は増加しており1雨当りの降雨量の増加して河川氾濫や大規模洪水、土石流、崖崩れ等の過去に無かった大災害を引き起こし各地で悲惨な犠牲者を出している等の説明があった。
当県においては大郷町や丸森町が大規模な水害に見舞われた事は記憶に新しい。同ような水害は古くは仙台市をはしめ県内全体が大水害に見舞われた明治22年、135年前の水害は県内で死者85名重傷者171名の犠牲者を出した事例があり、その水害時の被害と困窮した被災者への国からや篤志家、団体などから義援金等を古記録や当時の新聞、公文書などで調ている。
そうした調査に有効なのが県図書館、公文書館等にあるデータベースやマイクロフィルム化された当時の新聞などの閲覧で利用させてもらっている。こうした身近にある公共施設の多種多様な利用法に最近になって気づき、公共施設が所蔵する古くからの史料を極力利用すべきで、そうした資源を詳しく知るべきだったと反省している。
簡便なネット検索などだけに頼らず永く保存され続けている実物や複写、フィルムなど利用することで保存されてきた貴重な史料も生きてくると思う。若い頃は記憶力することが嫌いで興味を持てなかった社会・歴史にようやく馬齢を重ね面白みと興味を感じてきた遅すぎる事もあるまい。
分厚い義援金取り調べ調書3冊 宮城県公文書館所蔵 明治22年
洪水を報ずる号外明治22年9月12日奥羽日日新聞社
宮城県水害前年大阪、和歌山、京都などの水害に義援金を募る仙台の奥羽日日新聞新聞の広告
宮城県の水害に県内の個人や議会、学校などから寄せられた義援金を報づる新聞
洪水による犠牲者氏名、当時仙台第二師団兵士の澱橋での溺死記述も、宮城県公文書館所蔵の記録
皇后陛下より下賜金として宮城県に対して三百円を賜る旨の、宮城県公文書館の記録