好い思いをした釣り場をもう一度は無いという比喩に柳の下にドジョウは居ないと言われるが、連休前の好天に釣り師の釣り魂が疼き2週間前に来た処に来てしまった。前回は群生したクマザサを積雪が覆い歩きやすかったが、雪が融けクマザサと蔦が足に絡みつき悪戦苦闘して釣り場に就いた、ブッシュを漕いだせいでウエダ―(釣り用胴長靴)に引っかき穴が開き、流れに立ちこむと水が浸入してきて冷たい。
しかもいくら流れに竿を振っても反応なく、しかたなく再度クマザサを払いのけながら車に戻る。
このままでは帰りたくないとクルマを停めたすぐ近くの流れのカーブしたポイント、ここはずっと昔に良く釣れた処で流れが急カーブして澱んだ処をを探ってみることにした。
道路から近いので釣り尽くされもう魚はいないだろうと思ってやってみたら以外にも大きなアタリがあり、流れが強いので掛った魚が流れに乗り強引に竿を引く、しばしやり取りしてようやく緩やかな流れに誘導しようやく釣り上げたイワナは25センチほどの良型、その後すぐに2尾同じようなのが釣れた。
短時間で3尾の釣果に満足し終了した。若い頃なら日が暮れるまで一日じゅう竿を振っていたものだが現在は一匹でも満足する釣りができればそれで竿を納めるようになった老成したと言うか魚商売ではないのだから必要最低限で満足するようになった。
早速クルマに戻り鮮度を保つため道端の雪をナイフで掬いクラ―ボックスに入れている時、釣人達が車から降りて釣りに向かう処だった。今日は早く家を出て来て良かった、渓流釣りは早い者勝ちで遅れて来た者たちは獲物にありつけない、渓流ではではこれが鉄則だ。渓に響き渡る澄んだルリの声を聴きながら満ち足りた気分で山を下りる。柳の下にドジョウならぬイワナは居た。
白い斑点に胸ビレ付近が黄色のイワナだ。針は鼻先にがっちり掛っていた。
雪で冷やして家に持ち帰り並べてみた
獲物は大事に食してやるのが釣り師礼儀。素焼きにしたものに熱燗を注ぎ骨酒にし銚子に移し骨酒を味わった。魚体は後で燻製にしウエスキーと共に味わうのがベスト。