約45年近く前、弟が結婚し、親と同居することになり、古くなった家を改築、若者用の洋間に改造した、お祝いに新婚さんにふさわしいモノをと、洋間など持たない田舎者の私が以前から憧れだったシャンデリアをプレゼントした。
当時かなりの値段、結婚したて薄給の私は知り合いの電気店に頼み2年間の月賦にしてもらった。その後、彼等は新居に引っ越し、親たちも亡くなり、約20年前見知らずの人に家を貸すという話を聞き、苦労して贈った思い入れの品が、何も知らない人に、粗末な扱いを受けるのは残念とばかり、若干後ろめたさを感じたが、家を貸し出す前に灯具を外して来て、中古で購入した家の玄関フロアに取付した。
その石巻の家から18年前、仙台に引っ越して来て、決してシャンデリアの似合うような部屋ではないが、プレゼント者の処に戻ってきてしまった。処が4年前の東日本大震災で、吊さげ型の灯具が大きく揺れ天井にぶつかりチューリップ型のシェードが付け根から折れてしまった。
無残な姿だが思い入れの強い品を捨てるのも偲びなく、接着剤で何とか応急処置、不安定なまま今日まできた。本日、同じチューリップの壁用灯具が玄関に有った事を思い出しそれとシェード部を交換すれば好いとヒラメキ、脚立を使い早速作業した。
キズモノの方は壁用にしたので固定されおり壊れる心配は少なく大丈夫だろう。昔、少し電気をやった事があるので半日かかったが満足のいく仕上がり。私の存命中は大丈夫だろう。
この頃はこのようなクリスタルガラスを使った品はごく一部の高額なモノを除いて出回っていないようだ。思い入れの品が漸く完璧に嬉しい限りだ。モノにも思いを込めて大事に使えば永く使えます。
元に戻った白いチューリップ