オリンピック空手の形、競技決勝で沖縄出身の喜友納選手は金メダルを取った後、試合場のマットに正座して、黙想し、世界一をこれまで支えてくれた母親や関係者に心の中で静かに感謝を述べたのだと思う。
黙想とは目を閉じ呼吸を整え無念無想の境地の事で空手の始めと終わりに必ず行うものだ。優勝者としてのインタビューでは暫く言葉を発しなかった、先の黙想で全てを語り尽くしたかのように静かに汗とわずかに滲んだ涙をぬぐい続けた、言葉を発すれば感動の嗚咽が漏れるのを恥たかのように。感動が大きすぎる場合時として言葉が出なくなるという場面を中継画を通し伝わった。
ただ言葉少なに青少年に空手への姿勢を見せる事が出来たくさんの夢や希望を持ってもらえるようしたい、亡くなった母に感謝し優勝の報告をしたいと述べるにとどまった。
勝ってその喜びを爆発させる外国勢をはじめとする選手が多い中で感情を抑え武士道精神に通じる清々しさが一段と輝いて見えた。
武道を学ぶものは、その使い道を誤ると、その破壊力は生命の危険さえ生じかねない力を持つものだからその道の人は平素から自分を律し常に平常心を保つ心掛けと周りの人に優しさを忘れてはならない。
そうした姿を今回テレビを通して世界中の人達に示してくれた喜友名選手に心からの祝福を贈りたい。