北京オリンピック フィギアスケートで鍵山・宇野選手ら若手の快挙に涌く中で羽生選手は試合後の感想を聞かれ「精一杯頑張りました、全部出し切つた あれが僕のすべて」と3回も頑張ったを重ねた。この言葉がが彼のスケート人生の全てを語り尽くしているようだった。
幼少期にインタビューに応えて「四回転半を跳びたい」と宣言して以来、驚異の飛躍をとげ19歳にして世界の頂点に立ちソチ五輪で金メダルを獲りその後の五輪では連覇が当然のごとく期待された中での重圧に耐え、度重なる怪我に見舞われたが不屈の精神力で克服し母国日本や出身地でもある被災地宮城・東北を元気づけたいとの思いで渾身の努力を重ねてきた。
それが冒頭での精一杯頑張りましたの弁で、「報われない努力だったかもしれない」と超難度の四回転半ジャンプの失敗に悔しさ滲ませた。
スケーターとして数々の期待に応えて来た彼には勝ち負けに拘らない自身の技の到達点と言うべき宿願があったはずだ、前半のショートプログラムでの出遅れはまさにその天賦のチャンスだったと思う。
彼の「頑張り」とは世間の常識を遙かに超え通常人には想像だに出来ない領域だったのだろう。私達からは想像も出来ない努力の積み重ねだったからこそ「あれが僕の全て、一生懸命頑張りました」の万感を込めた心からの言葉だったのだろう清々しさが心の琴線を揺った。
四連覇にも勝る感動をありがとう羽生弓弦選手。
河北新報の写真から転載させていただきました