Truth Diary

芸術のエネルギー

 昨日久しぶりに先輩の家を訪ねた。年賀状のやり取りはしていたものの、実に17年ぶりの対面だった。アポなしでの急な訪問にもかかわらず、いつもの笑顔で親切に応対してくれた。

 早速庭のアトリエに寄っていきなさいと案内され、1500点にも及ぶ風景画作品が積み上げられている制作室でお話を伺った。 先輩は、去る2月にお亡くなりになった画家の金沢光策さんと同じで、82歳になられる。

 約50年もの間、誰に教えを乞うわけでもなく、サークルや、会に所属もせずにただ一人、自分の絵を描き続けてきた。 仙台周辺の風景画が多く、絵の素人の私が言うのもはばかれるが、今はなくなったかやぶき屋根の民家など、柔らかな色調で、心の安らぎを覚える非常に素直な絵である。 

 個展を開くなどもしないで、外部に発表することなく、20年以上前に会った時には、写真アルバムにして持ち歩いていたのを見せてもらった。その後、早速アトリエにを訪問し実物を拝見した。現場主義とでも言うのだろうか、全てを現場で仕上げて一気に描きあげるその絵は臨場感溢れ、私はすっかりほれ込んでしまい、2点、是非とお願いして譲ってもらった。無駄の無いタッチで見事に、その場に空気まで描ききっていると感心させられている。

 現在は、それら作品を、デジタルカメラで撮影し、CD-Rへ保存、バックアップとして、USBメモリーと、外付けハードデスクに残しているという。 氏は、80歳を過ぎてから、パソコンの勉強を娘さんに教わり、マスターして今は一人で自由に操作をしているそうだから、その執念は並外れている。 今日の午前中に描いたという、下書きが2枚あった。衰えぬ創作意欲に、芸術は、人間に、凡人には想像できないパワーを発揮させるものがあると、あらためて感心した。彼には、文集6冊の創作もある。

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