K大学では先に書いたように、学部で入学していても、
1年半は教養部でしっかり基礎学力をつけることになっていて、
2年間で教養部の単位を取り、1年半が過ぎてから専門学部の
勉強も混じっていくという形式になっていた。つまりは、
1年半が過ぎると、教養部の勉強と専門の学部の勉強の
2本立てになって、2年が過ぎると専門の一本になるのだが、
数学科ではこれに異議を唱えて、学内での統一見解に反し、
1年が経過してすぐに専門の勉強が開始されることに。
と言っても1教科だけだったが。
実はこれが大変な事態になる。
先に書いたように教養部では第2外国語でクラス分けが行われ、
英語や体育などの授業がそのクラス毎に割り当てられていたのだが、
これと専門の授業がぶつかることになる。
まあドイツ語やフランス語を取っているクラスでは問題がなかった
のだが、中国語やロシア語を取っていた者には、体育の授業等の
変更が余儀なくされるわけだった。変更の場合、割り当て外だから
選択に不利益が生じるわけで、けっこう困ったことに。
おまけにその1科目が教授がわかりにくい授業内容で、まともに
聞いていてもまったく理解できない上に、単位は100題ある
問題に答えればよいレポート形式だったのだが、それが英語と
ドイツ語とフランス語で書かれた文章だった。
その教授曰く、数学を学ぶ者はフランス語もドイツ語もできて
当然だとか。
結局レポートが出せずにその科目は棄てることに。
しかし基本的にその科目を履修していないと次の科目に移れない
システムになっていて、1年後に撮り直し。その時は別の教授
だったのだが、これが同じ科目かと思うくらい判りやすい
授業だった。
しかし弊害がすぐに出てきて、1年遅れで取ったために、
その時間には次の科目が行われていて、結局その科目を
取ることができなかった。これはどうにも穴埋めが効かなくて、
最終的に取れずじまい。それが「Ⅰ」だったため、「Ⅱ」も
自動的に取れなくなる。
数学科の4年間で後悔することがあるとすれば、このことにつきる。