友人のT君とは音楽のことなどで趣味が一致していたり、クラスのサッカーでも一緒にディフェンスにいたり、一緒にいることも多かったが、もう一人、この時期に一緒にいることの多かったのがK君だった。趣味が一緒とかいうわけではないのだが、なぜだか一緒にいたり遊んだり行動したりすることが多かった。
あるとき放課後に廊下で遊んでいたら、はずみで教室の窓ガラスを割ってしまった。ガラスを始末して職員室に謝りに行ったら、自分で直しておくようにと言われた。そんなわけで窓ガラスのサイズを測り、当時の窓ガラスは木の枠で挟まれていたので、その分の寸法も測って下界までガラスを買いに行った。
うちの学校は大塚山という山を切り開いてできた学校なので、山の中腹にあったから、店があるのは下界だった。ガラス屋まで行って測った寸法を言ってガラスを購入して、二人でまた学校まで持って戻る。そして教室の鍵を借りて窓ガラスをはめなおした。
K君とは中2の頃は一緒によく遊んだが、3年になってクラスが離れると会う機会も少なくなった。決定的に離れることになったのは、ある日彼が廊下を歩いていると、勢いよく走ってきた生徒と正面衝突をして、彼の鼻が曲がってしまう大怪我をしたこと。全快までかなりの期間をかけることになったのだが、曲がってしまったのは彼の鼻だけではなく性格も曲がってしまったような。学校に戻ってきてから、会う機会も減ったこともあるが話が合わなくなってだんだん接触も減ってしまった。卒業してからは一度も会うことはなくなった。