風間サチコシリーズ3回目(ラスト)は、
2019年3/28,29 無人島プロダクション『移殖』展から 「不死山トビ子(復活)」
東京の江東区清澄白河にあった無人島プロダクションのギャラリーが、立ち退き移転となり、二日間開いた
お別れ展示会の作品の一つです。
キャプションでも概要は分かりますが、より詳しくは風間サチコさんのブロブで
版画と版木を組み合わせて、水面に映った逆さ富士のようにみせる・・・アイデアが面白い!
キャプションの右横に写っているのは版木の側面。
次は、「風間サチコ(バベル)展」(『東京計画2019 vol.2』) ・・・・ギャラリーαM
2019年6月1日(土)、展示初日の晩に、風間サチコさんとキュレータの藪前知子さんのアーティストトークに行ってきました。
左が風間サチコさん、右がキュレータの藪前知子さん(東京都現代美術館 学芸員)
バックの壁面に《バベル》右側と、その下絵 左側
この展示の企画意図や、作品構想などは、 風間サチコさん、藪前知子さんのメッセージに詳しいので、チラシからスキャンして載せました。 ↓
戦前に作られた、東京の臨海都市構想 ”紀元2600年記念日本万国博覧会会場図” を説明する風間サチコさん。
雑誌Newtonの、臨海副都心構想の記事を説明する風間サチコさん。 古い資料などいろいろ持っているんですね。
余談ですが、キュレータの藪前知子さんの胸のブローチには、”丙”の文字が!
風間サチコさんの黒い服は、いつものとおりですが、キュレータの藪前知子さんも、黒で合わせ、ブローチデザインも
ディスリンピックに関連させて、”丙”のイニシャルを使うなど、気を使ってますね。
ちなみに、藪前さんは、「山口小夜子 未来を着る人」展(2015年)のキュレータでもありました。
また、トーク中に、藪前さんが”近代の超克”という言葉を使ったのですが、風間さんは、近代の彫刻と受け取り、、暫く
やり取りがありました。 藪前さんが気がつき、説明していましたが、思想や芸術関係の言葉は、ときどき高尚な漢字語
が出てきて、わかりずらいところがありますね。
作品を観ていきましょう。
《バベル》 2019 和紙、油性インク 130×181
↓下絵。 このマンション群は、風間サチコさんが23年前の新聞の折込チラシを切り抜いてコラージュしたもの。
当時、制作するには手がかかりすぎると思って、制作しなかったが、今回のテーマをもらい、制作したとのこと。
当時の判断は正しくて、マンションのタイル一つ一つ彫るのは、とても大変だったようだ。
小品群です。
左上 :《脱腸構築》2015 AP:リノカット:和紙、油性インク 右:《バベル(ロゴ)》2019 AP:リノカット:和紙、油性インク
左下:《ディスりんピック》2015 AP:リノカット:和紙、油性インク
《点景H.L(新宿中央公園》2008 和紙、墨汁
平成のバブル崩壊後、ホームレスが寝起きするようになった新宿中央公園。(現在はいない模様)
都庁ビル、カラス、高射砲?枯れ木の枝が不穏な雰囲気を醸している。 でも、カラスの表情がかわいい。
《ディスリンピック2680》も展示されていましたが、柱が邪魔して全景は撮れませんでした。
《ディスリンピック2680》の中央部分、作家本人の解説を引用。
”規則正しい肉体鍛錬により、国家の未来を担う「母性の保護」に勤しむことを誓う巨大モニュメント『ディスリンポス山』には
煉獄のごとき(変な体操の)修行によって心身をステージアップさせ、山頂の地上の楽園=民族の花園を目指す少女たちの彫刻
が見える。民族の花園には国際優生学学会、ユージェニクスのシンボルツリーがそびえ立ち、民族浄化と国民の健全を祝福している。
縁起絵巻ふうの 《青丹記》2019 青焼きコピー用紙 各25.7×36.4
解説は、風間サチコさんのブログ「窓外の黒化粧」をどうぞ
参考までに、フジTV本社ビルの画像です。↓
トークの中で、風間サチコさんが、第1回TCAA賞を受賞したことが披露されたので、簡単に紹介。
”東京都とトーキョーアーツアンドスペース(公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館)は、昨年創設したTokyo Contemporary Art Award(TCAA)の第1回受賞者に
風間サチコと下道基行のふたりを選出したと発表した。
TCAAは、海外での展開も含め、更なる飛躍とポテンシャルが期待できる国内の中堅アーティストを対象とする新たな現代美術の賞。アーティストのキャリアにとって最適な時期に
最善の支援内容を提供する必要性を重視し、受賞者には、賞金300万円のほか、海外での制作活動支援、東京都現代美術館での成果・受賞展の機会、日英表記のモノグラフの作成など
3年間にわたる継続的な支援が提供される。”
さすがですね。 海外での制作・・・うーん面白そう、期待。
トークの後は、パーティがあったのですが、帰りの時間が迫っていたため、泣く泣く会場を後にしました。
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