世界中から熱苦しく・・・「ふじもん世界放学ブログ」

元「変な学校先生」私ふじもんが、ただ今世界を駆け巡っています!世界の今と僕の魂をお届けしますので、ぜひお読み下さ~い!

【第1章 南米編 ボリビアの親子が教えてくれる「地球環境保護学」】

2013-07-01 21:59:59 | 日記
2013年7月1日。

僕は環境保護について、とっても関心がある。特に森林の消失については、なぜか小さな頃から妙に関心があり、「将来の夢は自然を守る仕事に就くことです」と、作文に書いている時もあった。中学1年生の時の文化祭では、ビーチボールに模造紙を貼り付けて地球儀をいくつも作り、年が経つ毎に地球の緑が復活している様子を現した作品を僕のアイデアでクラス全体で作ったこともある。

そのくらい、何故か環境保護については関心が強かった。高校の時は平気で投げ捨てをする部活動の部長のポケットに、彼が投げ捨てたゴミを拾って突っ込んでやったこともある。かなりケンカを売っていたような気もするが、僕にとっては彼の投げ捨てが許せなかったのだ。

そんな品行方正、誠実で真っ直ぐで曲がったことが大嫌いな僕は・・・あ、すいません、嘘です。まぁ横曲がりしまくっている僕ですが、環境保護に関しては関心がとても強いのは事実だ。そして、今の地球環境は大変に危機的な状況に追い込まれていると僕は教わってきたし、教科書や資料集からもそう学んできたし、実際にそうだと認識している。そして環境問題はどこか1つの国が頑張ったところで無意味であり、世界中が手を取り合って取り組んで、初めて功を成すものだとも認識している。これは恐らく日本では特別な考え方ではないはずだ。むしろ日本では「常識」だと、僕は思っている。

しかし、世界は面白い。特に発展途上国と言われている国に来ると、そんな僕らの「常識」は一瞬にして吹き飛ばされる。

ボリビアの、あるバスの中でのこと。

僕は普通に、バスの座席に座っていた。僕の前には現地の人たちの親子4人が通路を挟んで1列になって座っており、お菓子を食べジュースを飲みながら、楽しそうに会話をしている。それはそれで微笑ましい光景だ。

当たり前のことだが、やがてお菓子は食べ終わるしジュースも飲み終わる。さてそのあと、日本ではどのような行動に出るであろうか。ちょっとだけ考えていただけると有り難いです。

お菓子を食べ終わった子どもが、何やらお父さんに話し掛けている。手に空のお菓子の袋を持っていたので、おそらく「パパ、このゴミどうしたらいい?」の類の会話をしていたのであろう。

そしてパパは、おもむろにバスの窓を開けた。そして子どもの手からゴミを奪い取ると、何のためらいもなくゴミを投げ捨てた。

それも1つや2つではない。バックの中から取り出したティッシュやらペットボトルやら、いらないものは何から何まで窓から投げ捨てていく。それを見て学んだ子どもも、当然同じ行為をする。

僕はこの光景を見たのは初めてではない。ボリビアだけではなく、色々な国で目撃してきた光景だ。だが今回改めて「窓からポイ族」の現場を見て、愕然とした。そして色々な思いが頭を過ぎる。

「ああ、今の日本でやっている環境保護教育なんて、所詮無意味なんじゃないか・・・」と。

極めて当たり前のことだが、今の日本では「ゴミの投げ捨てはやめましょう」と教育する。僕はそう教わってきたし、子どもたちにもそう教えてきた。それが日本の「常識」のはずだ。そしてその常識は「世界の常識」だと、多くの日本人は思っているのではないだろうか。

しかし、ここボリビアでは違う。いや、ボリビアだけではない。むしろ、ボリビアと同じ「常識」の国の方が多いのではないだろうか。

その「常識」とは、
①ゴミは分別なんてしないもの。
②ゴミは再利用なんてしないもの。
③ゴミは思い立ったら、いつでもどこでも捨ててよし。
というものだ。

信じられないくらい、みんなゴミを放り投げる。どこにでも捨てる。その結果、何が起きるか?街はこうなる。


ハッキリ言って、ボリビアの街中はゴミだらけだ、凄まじいほどに。それを見て、僕は考えてしまう。「環境教育とは何なのだろう。環境保護って何なのだろう。」と。

僕たちは日本で一生懸命、地球環境のことについて学んできた。そして僕も、一生懸命、地球環境のことについて授業をしてきた。しかし、この街中を見ると・・・。この親子の行動を目の当たりにすると・・・。僕たちは何をすべきなのかを、考えさせられてしまう。

こんな話を聞いた。日本からボリビアに移住してきたある親子がいた。子どもはまだ小学生で、現地の小学校に通い始めたのだが、スペイン語も分からず、また現地の習慣にもすぐには馴染めず、苦しんでいたそうだ。

そんな子どもが、お母さんにこう言ったらしい。
「お母さん、ボリビアの学校、まだよく分からないけど、これだけはすぐ覚えたよ。」
「へぇ、何を覚えたの?」
「うん、これ。」
と言って、窓からゴミを投げ捨てたらしい。それを見てお母さんは、唖然としたそうだ。

僕は別に、ボリビアのことを否定しようとか、そういうことではない。だがもし、本当に地球環境が危機的な状況なら、世界が足並みを揃えて対策を練らなければいけないのなら、このままではまずいということは言えると思うのだ。

僕は、僕たちは、一応先進国と言われている国に住んでいる日本人としては、一体何をすべきなのだろうか。一体今、世界で本当に求められていることは何なのだろうか。ボリビアのバスの中の親子が、僕に語り翔けてくる。

「何言ってんの?俺たちは俺達の常識の通りの行動をしているだけだよ?」と。

2013年7月1日。冷え込みの強いサンタクルスにて。