2013年7月19日。
僕はブラジルが、ブラジル人が大好きだ。人懐っこくて陽気でにぎやかで…。彼らといると、それだけで学べるものがたくさんある。そして彼らといると、不思議でならないこともまたたくさんある。
ブラジルのフシギ①「いつ働いてるの?」
ブラジルの街の昼下がり。まぁぎょーさんおっさん達がおります!なーんもせずに木陰に座ってる人、おしゃべりしてる人、昼寝に夢中な人、ガンガンビール飲んじゃってる人など…。それは愉快痛快です。
でも不思議でなりません、彼らはいつ働いているのだろう…?そんな年中ビール飲んでて、お金はどこから入ってくるのだろう…?
このゆったりさがいいんだよな…と思いつつ、日本という忙しい国で生まれ育った僕には、ちょっと理解できなかったりもする。フシギです…。
ブラジルのフシギ②「なんでそんなにバスを飛ばすの?」
ブラジルの路線バス。ルートがとても多く複雑で、バス内での犯罪も多いとのことから、慣れていない外国人が利用するのは難しいと言われている路線バス。しかしお金がない僕は、何より安いこの路線バスをけっこう利用してきた。
ぜひ皆様にも体感していただきたいのだが、ブラジルの路線バスはメッチャ飛ばすんです。運転手によっては、「いやいやいやマジで危ねぇから!」と叫びたくなるくらい、すごいコーナリングをかましてくる。「え、そこ入りますか?」というわずかな隙間にも、ガンガン飛び込んでいく。マジですごい。
そしてそれでいて事故らずにちゃんと行くのだから、運転技術には恐れ入る。でもあんなに飛ばすことないのになぁ…。どう考えても、運転手が自分の趣味で乗ってるようにしか見えない。乗客の安全なんて、考えているとは思えない。ま、でも慣れてくると、それが楽しいんですけどね…!
あ、ちなみにブラジルの路線バスは運転手の他に料金を集める人が入り口の横に座ってるのですが、こいつら寝てたりケータイでゲームしてたり、職務怠慢にもほどがあります(笑)。ま、でも同じく、慣れてくるとそれが楽しいんですけどね…!
ブラジルのフシギ③「親指を立てれば万事OK!」
これは僕の大好きな仕草です。何だか分からなくても、とりあえず目があって笑顔なら親指を立てる。これ、いいですよね。初対面でも何でも親指を立てれば、それでアミーゴ。この気さくで取っ付きやすい感じが、僕は本当に大好きです!
ブラジルのフシギ④「メッチャ親切、なんだけど…」
ブラジル人って、とても親切なんです。ちょっと道を聞いても必ず教えてくれるし、バスの番号を聞いても、ポルトガル語の分からない僕に、ノートに番号を書いて事細かに教えてくれるし、バスの中でもお年寄りなどに積極的に席を譲る。(席を譲ることに関しては、ボリビアが一番すごかったですね)
とっても有り難いんたけど、たまに困るんです。道を教えてくれるのはいいんですが、これがけっこうテキトーなんですよね。「2ブロックさきにあるよ」と言われて行ってみたら何もないとか、他の人にも聞いてみたら全く反対の方向だったりとか…。最初はちょっと腹が立ったりもしたのですが、これも慣れてくると、面白いもんなんです。
ですから僕は、同じ道案内を3~4人に聞きます。それで同じだったらほぼ間違いないと判断するんですね(笑)。ホントに面白いです。
ブラジルのフシギ⑤「多発する犯罪」
これはシリアスに考えたい。ブラジルはなかなかに犯罪が多い。サンパウロでは毎日5件の殺人事件が発生し、普通に見える路上でも銃を使った強盗は毎日起きているという。マナウスの殺人事件の発生件数は日本の55倍、強盗に至っては数百倍を越えるらしい。
これだけを聞くと、「ええ、ブラジルって恐ろしいところじゃないか…」と思ってしまう人もいるだろう。しかし、時に数字は嘘をつく。こんな数字を知っていたとしても、ブラジルの人たちの明るさ、陽気さ、親切さを見れば、「なんだよ、なんていい人たちなんだ」と思うはずである。
しかし現実として、犯罪は多いのだ。現地在住の日本人の方やブラジル人にも聞いてみたが、次の3つが僕には印象に残った。
1.貧富の差
ブラジルの貧富の差はなかなかのものらしい。フェラーリを何台も買えるような金持ちもいれば、サンパウロやリオデジャネイロの郊外には一面スラム街が広がっている。言わずもがな、これは犯罪に繋がる要素だ。
2.教育の不十分さ
貧困の問題とも繋がってくるが、十分な教育を受けられない子どもが多いが故に、知識はもちろん道徳心や公共心も身に付いていない人間が多く育ってしまうのだという話を聞いた。あるいは学校に行っていたとしても、授業以外の生活規律の指導などはほとんどないらしい。(あくまで公立学校とのことで、私立はまた全然違うらしい。そして私立に行けるような子は、当然お金持ちの子どもなのだが)教育の不十分さは、犯罪の多発に繋がるという視点だ。
3.国民性
国民性と一言で言ってしまうのは語弊があると承知はしているのだが、ブラジル人は一般的に、お祭り騒ぎが好きで、ちょっとしたもめごとでもケンカに発展してしまうことも多いらしい。故に、そこから犯罪に繋がる、という話である。
昼間の彼らの陽気さ、優しさに触れていると、そんな犯罪が多発しているなんて想像しづらい面も多い。しかしその点は笑い話でなく、世界の多くの国々に共通する点として、僕たちは考えていかなければいけないだろう。特に格差や教育の問題は、全世界の永遠の課題である。
すいません、などと偉そうに述べてしまいましたが、結論、僕はブラジルが大好きです。日本にいると、その国のイメージだけは何となく形成されるが、それが本当にその国の真実なのかは、甚だ疑問である。
僕は、これからの未来を担う若い世代に、今の「知識」と「印象」がどれほどまでにその国、あるいはその国民とマッチしているのか、ぜひその目と耳と味と臭いと感覚と、そして直感で見てきてほしい。その「放学」をすることで、いかに自分が囚われていたのか、またいかに真実を掴むことが困難なのかを実感できると僕は思うのだ。
なんにしても、ありがとうブラジル!まだまだ行き足りないところが託さんあります。いつかまた会う日まで!chau chau !
2013年7月19日。ベネズエラのブラジルとの国境の街、サンタ・エレナにて。
僕はブラジルが、ブラジル人が大好きだ。人懐っこくて陽気でにぎやかで…。彼らといると、それだけで学べるものがたくさんある。そして彼らといると、不思議でならないこともまたたくさんある。
ブラジルのフシギ①「いつ働いてるの?」
ブラジルの街の昼下がり。まぁぎょーさんおっさん達がおります!なーんもせずに木陰に座ってる人、おしゃべりしてる人、昼寝に夢中な人、ガンガンビール飲んじゃってる人など…。それは愉快痛快です。
でも不思議でなりません、彼らはいつ働いているのだろう…?そんな年中ビール飲んでて、お金はどこから入ってくるのだろう…?
このゆったりさがいいんだよな…と思いつつ、日本という忙しい国で生まれ育った僕には、ちょっと理解できなかったりもする。フシギです…。
ブラジルのフシギ②「なんでそんなにバスを飛ばすの?」
ブラジルの路線バス。ルートがとても多く複雑で、バス内での犯罪も多いとのことから、慣れていない外国人が利用するのは難しいと言われている路線バス。しかしお金がない僕は、何より安いこの路線バスをけっこう利用してきた。
ぜひ皆様にも体感していただきたいのだが、ブラジルの路線バスはメッチャ飛ばすんです。運転手によっては、「いやいやいやマジで危ねぇから!」と叫びたくなるくらい、すごいコーナリングをかましてくる。「え、そこ入りますか?」というわずかな隙間にも、ガンガン飛び込んでいく。マジですごい。
そしてそれでいて事故らずにちゃんと行くのだから、運転技術には恐れ入る。でもあんなに飛ばすことないのになぁ…。どう考えても、運転手が自分の趣味で乗ってるようにしか見えない。乗客の安全なんて、考えているとは思えない。ま、でも慣れてくると、それが楽しいんですけどね…!
あ、ちなみにブラジルの路線バスは運転手の他に料金を集める人が入り口の横に座ってるのですが、こいつら寝てたりケータイでゲームしてたり、職務怠慢にもほどがあります(笑)。ま、でも同じく、慣れてくるとそれが楽しいんですけどね…!
ブラジルのフシギ③「親指を立てれば万事OK!」
これは僕の大好きな仕草です。何だか分からなくても、とりあえず目があって笑顔なら親指を立てる。これ、いいですよね。初対面でも何でも親指を立てれば、それでアミーゴ。この気さくで取っ付きやすい感じが、僕は本当に大好きです!
ブラジルのフシギ④「メッチャ親切、なんだけど…」
ブラジル人って、とても親切なんです。ちょっと道を聞いても必ず教えてくれるし、バスの番号を聞いても、ポルトガル語の分からない僕に、ノートに番号を書いて事細かに教えてくれるし、バスの中でもお年寄りなどに積極的に席を譲る。(席を譲ることに関しては、ボリビアが一番すごかったですね)
とっても有り難いんたけど、たまに困るんです。道を教えてくれるのはいいんですが、これがけっこうテキトーなんですよね。「2ブロックさきにあるよ」と言われて行ってみたら何もないとか、他の人にも聞いてみたら全く反対の方向だったりとか…。最初はちょっと腹が立ったりもしたのですが、これも慣れてくると、面白いもんなんです。
ですから僕は、同じ道案内を3~4人に聞きます。それで同じだったらほぼ間違いないと判断するんですね(笑)。ホントに面白いです。
ブラジルのフシギ⑤「多発する犯罪」
これはシリアスに考えたい。ブラジルはなかなかに犯罪が多い。サンパウロでは毎日5件の殺人事件が発生し、普通に見える路上でも銃を使った強盗は毎日起きているという。マナウスの殺人事件の発生件数は日本の55倍、強盗に至っては数百倍を越えるらしい。
これだけを聞くと、「ええ、ブラジルって恐ろしいところじゃないか…」と思ってしまう人もいるだろう。しかし、時に数字は嘘をつく。こんな数字を知っていたとしても、ブラジルの人たちの明るさ、陽気さ、親切さを見れば、「なんだよ、なんていい人たちなんだ」と思うはずである。
しかし現実として、犯罪は多いのだ。現地在住の日本人の方やブラジル人にも聞いてみたが、次の3つが僕には印象に残った。
1.貧富の差
ブラジルの貧富の差はなかなかのものらしい。フェラーリを何台も買えるような金持ちもいれば、サンパウロやリオデジャネイロの郊外には一面スラム街が広がっている。言わずもがな、これは犯罪に繋がる要素だ。
2.教育の不十分さ
貧困の問題とも繋がってくるが、十分な教育を受けられない子どもが多いが故に、知識はもちろん道徳心や公共心も身に付いていない人間が多く育ってしまうのだという話を聞いた。あるいは学校に行っていたとしても、授業以外の生活規律の指導などはほとんどないらしい。(あくまで公立学校とのことで、私立はまた全然違うらしい。そして私立に行けるような子は、当然お金持ちの子どもなのだが)教育の不十分さは、犯罪の多発に繋がるという視点だ。
3.国民性
国民性と一言で言ってしまうのは語弊があると承知はしているのだが、ブラジル人は一般的に、お祭り騒ぎが好きで、ちょっとしたもめごとでもケンカに発展してしまうことも多いらしい。故に、そこから犯罪に繋がる、という話である。
昼間の彼らの陽気さ、優しさに触れていると、そんな犯罪が多発しているなんて想像しづらい面も多い。しかしその点は笑い話でなく、世界の多くの国々に共通する点として、僕たちは考えていかなければいけないだろう。特に格差や教育の問題は、全世界の永遠の課題である。
すいません、などと偉そうに述べてしまいましたが、結論、僕はブラジルが大好きです。日本にいると、その国のイメージだけは何となく形成されるが、それが本当にその国の真実なのかは、甚だ疑問である。
僕は、これからの未来を担う若い世代に、今の「知識」と「印象」がどれほどまでにその国、あるいはその国民とマッチしているのか、ぜひその目と耳と味と臭いと感覚と、そして直感で見てきてほしい。その「放学」をすることで、いかに自分が囚われていたのか、またいかに真実を掴むことが困難なのかを実感できると僕は思うのだ。
なんにしても、ありがとうブラジル!まだまだ行き足りないところが託さんあります。いつかまた会う日まで!chau chau !
2013年7月19日。ベネズエラのブラジルとの国境の街、サンタ・エレナにて。