世界中から熱苦しく・・・「ふじもん世界放学ブログ」

元「変な学校先生」私ふじもんが、ただ今世界を駆け巡っています!世界の今と僕の魂をお届けしますので、ぜひお読み下さ~い!

【第1章 南米編 「かーちゃんへ」】

2013-07-14 20:48:55 | 日記
2013年7月12日。

かーちゃん

元気にしてますか?僕は今、あの有名なアマゾン河を船で下っています。まさに今、河の上にいます。

齢33にして、「俺にはまだまだ夢がたくさんあるんだ」「この世に産まれてきたからには、俺はやりたいんだ」と言って、再び日本を飛び出した、この大馬鹿息子。

日本を出て、ちょうど2ヶ月が経ちます。何だかんだで最後は僕のワガママを認め、そした信じてくれるかーちゃん。本当にありがとう。

僕は元気です。そして今、「世界」という偉大な教科書が、黙っていても僕に毎日特別授業を開いてくれます。日本では、そして教室では決して学ぶことのできない、とんでもない授業を。

アマゾンを下る船に乗る前に、僕はペルーのイキトスという街からジャングルに入り、先住民の村を訪れたり、密林の中でキャンプもしてきました。昔から「自然を守りたい」と言っていた僕にとって、このアマゾンのジャングルに足を踏み入れることができたのは、本当に大きな体験でした。

しかし今、この熱帯雨林が消滅の危機にあります。それはテレビのニュースや新聞でも、そして学校の教科書や資料集でも言われていることであり、多くの日本人が認識しています。

しかし、地球の反対側に住む僕たち日本人がそのことに危機感を持ち、何とかしなければいけないと考えているのに、当のアマゾンに住む人たちは、そんなことなど微塵も考えていないようなのです。

僕はイキトス最大のスラム街、ベレン地区というところにも行ってきました。ここでは、凄まじいまでの雑踏の中に人々の生活があり、人と動物と、そしてゴミとが、まるで共生をしています。


そして、ベレン地区の中でも特に低い土地にあるベレン・バハ地区では、まさにゴミの間に家があり、その中で人が生きている…という状況なのです。その光景、雰囲気、臭いは、とても日本では考えられません。


さらに信じられないことに、子どもたちはその中で遊び回っています。生き生きと、楽しそうに…。


それらのゴミの多くは、ペットボトルなどのプラスチック類です。つまり、いわゆる先進国と言われている国々が開発した製品によって、地球の生命の源ともいわれるアマゾンを破壊しているのです。

街中に反乱するゴミの量の凄まじさは、半端じゃありません。この大量のゴミは、どうなるかというと、雨季になると増水した河に全部流されていくそうです。

でもそのゴミが下流で最終的にどうなるかなんて、現地の人には関心はありません。「河が全部持っていってくれるから、エスタビエン(大丈夫)!」と、笑って話しています。そのくらいの認識なのです。

だから彼らは、ゴミはほとんどその辺に投げ捨てます。「環境保護のためにゴミの分別回収を」なんて言葉は、「アマゾンの人に念仏」なのです。

そしてアマゾンの河畔に暮らしていると、本当にこの密林が消滅しつつあるなんていう実感は、全く感じられないのです。なぜならそれは、熱帯雨林の破壊は「内側」からではなく「外側」から起きているからです。つまり、熱帯雨林の「外側」に住んでいる、僕たち先進国と言われている国々が、紙資源の確保のためや農地拡大のために、自分達の都合で熱帯雨林を破壊しているに過ぎないのです。

特に昔からの伝統的な生活をしている人々には限りなく関係のない話であり、僕たち余所者が勝手に迷惑をかけているだけの話なのです。

それなのに僕たちは、「肝心のアマゾンに住む人たちがこんな低い意識でどうするんだ。」と腹を立てます。自分達で起こした問題に、そこに住んでいる人達を巻き込んでいるのは自分達なのに…。人間のワガママさ、自分勝手さを感じずにはいられません。

学校で教えていることを否定するわけではもちろんありませんし、外国に来ると、日本の学校、教育の素晴らしさを本当に痛感します。しかし、学校の授業というのはやはり「机上の知識」であって、「リアルな感覚」ではないのです。かーちゃん、そこが大切な点だと僕は考えています。

僕は日本の若者に、「知識」にプラスしてもっと「感覚」を得てほしいのです。だから、もっと世界に出てほしい。身体で感じてほしい。魂で感じてほしい。

だから、先ずもって僕は流れています。日本で、教室で、学ぶ「邦学」から、放たれて五感で学ぶ「放学」へ。僕はその融合を目指しています。だから僕は今、ここにいるのです。

かーちゃん、安心して下さい。あなたの二番目の馬鹿息子は、きっと偉大な馬鹿です(笑)。たぶん。だから、僕が日本に帰るまで、絶対に絶対に元気でいて下さい。オヤジにもばーちゃんにも、絶対に絶対に元気でいてくれと伝えて下さい。

かーちゃん。もう少しだけ、僕を信じて日本で待っていて下さい。

日本に帰ったら、みんなでスシローに行くべな!!!(笑)

2013年7月12日。アマゾンを下るボートに横になり、満天の星空を眺めながら。

【第1章 南米編 アマゾン河「無」の教え】

2013-07-14 12:07:43 | 日記
2013年7月11日。

ペルー・コロンビア・ブラジルの三国の国境が交わる地点。僕はそこからボートに乗り、ブラジルのアマゾン河畔の都市、マナウスに向けて出発した。

行程は4日前後とのこと。寝床は屋外にハンモック。

船内には、特別に何かがあるわけではない。

両岸には、「まさにアマゾン」という熱帯雨林が広がっている。河の色は「まさにアマゾン」という茶褐色の色を湛え、滔々と流れている。


ただ日が登り、また沈み、時おりスコールに遭遇し…。


そこにはただ、ゆったりとした時間だけが流れている。


まさに「無」である。

ただただ、時間だけが流れていく。

ハンモックに揺られながら、ウトウトする。

ふと時計を見る。

まだ15分しか経っていない。

河岸を見る。

全く変わらない景色が、ただただそこには存る。

「無」は面白い。「無」は「有」であり、また「有」は「無」でもある。

色即是空、空即是色。アルファでありオメガである。始まりであり終わりである。

昔、XJAPANの元メンバー、hideが歌っていた。

「何にもないってこと、そりゃあ何でもありってこと」

この「無」は何にもないようで、実は何でも有るのかもしれない。

日本での忙しい日々は何でも有るようで、実は何にも無いのかもしれない。

「無」の時間は、実は最高に贅沢なのかもしれない。

「有」の時間は、実はただ囚われているのかもしれない。

不思議な思いの交錯を、アマゾンの流れは僕に問い掛けてくれる。


「無」は面白い。脳ミソを、変な方向に働かせてくれる。

突然、昔のことを思い出す。
どうでもいいような思い出、過去のちっぽけな栄光、大切な人を傷付け裏切ってしまった、取り返しのつかない失敗や愚行…。

突然、何かに閃いたりする。
今夜の有意義な過ごし方、次の国で挑戦したいこと、日本に帰ってからの計画…。

突然、孤独に怯えたりする。
無性に家族に会いたくなる、日本が恋しくなる、友人や彼女と無性に話がしたくなる…。

突然、不安に陥ったりする。
今の自分の行動に対して、これから先の未来、家族や彼女や友人のこと…。

突然、勇気が沸いてきたりもする。
俄然やる気になったり、何でもできるような気になったり、成功イメージがガンガン沸いてきたり…。

「無」は簡単に見えて、実は一番難しい存在なのかもしれない。

人は「無」の中でこそ、その真価が問われるのかもしれない。

「瞑想」という「無」の中での修行によって自らを高め続けてきた仏教の教えが、何だか少しだけ分かったような気がする。


少しだけ目を閉じる。

また目を開く。変わらぬアマゾンの流れと景色。

そこには相も変わらず「無」が在る。


「無」。なんと深いことか。

もう少し、上手に「無」と付き合える人間を目指そう。

2013年7月11日。マナウスに向かうボートのハンモックの上にて。

【第1章 南米編 「地獄」敵はアマゾンにあり!】

2013-07-14 01:05:41 | 日記
2013年7月7月10日。

蚊。

体長1cmにも満たない小さな虫。

しかし僕は知った。奴らは「地獄」を作り出すことができることを…。

ペルー奥地の街、イキトス。

さらにその奥のジャングルへと、僕は足を運ぶ。

「アマゾンの奴らは、人斬り抜刀斎よりも凄まじい」とは聞いてはいた。

しかし実際の奴らは、その言葉を遥かに凌駕していた。

夕刻過ぎ。奴らがもっとも活発に動き出す時間だ。

僕はジャングルの真っ只中。奴らの攻撃が始まる。

3秒毎に、あの耳元に飛び交う不快な音。

強烈だ。

少しでも肌が出ていたら、そこは全て奴らの標的となる。

僕は長袖を着ていたが、手首より先に奴らはガンガン襲いかかってくる。

手の平までやられる。なんという攻撃力か。

まさに北斗百烈拳。

僕は軍手をしてレインコートまで着て、耳まで覆い隠す。

ここは熱帯雨林のジャングル。暑い。

しかし、暑さよりも奴らの方が強烈なのだ。

キャンプサイトに到着。辺りはすっかり暗闇だ。

夕食。

当然電気などないので、懐中電灯をつける。

無数の蚊が、僕たちの周りを飛び交っている。

壮絶…壮絶だ。

食事を口まで運ぶ…のだが、蚊が口の周りに集まって、落ち着いて食えない。

2~3匹一緒に食べてしまった気もするが、そんなことはどうでもいい。

僕の露出されている皮膚は、もはやあご先からおでこまで。

そこまでも、奴らは狙ってくる。まるでケンシロウが秘孔を突くように正確に…。

まぶた、鼻の先、唇まで餌食となった。

僕は食事を口の中に押し込み、食事を終わらす。

就寝。

蚊帳で囲まれた粗末な寝床に潜り入る。

この空間だけは、奴らから解放される。

おおお、なんという安堵感か。

狭いスペースに横になり、ふと懐中電灯を上に照らす。するとなんと…!

奴らが入り込んでいるではないか!それも5~6匹も!

僕は秘天御剣流の九頭龍閃よりも早く、片っ端から奴らを叩き殺す。

まるで戦場の兵士が、叫びながらマシンガンを撃ちまくるように…。

ようやく…就寝。

何も気にせず、横になれる喜び。

汗がベトベトだとか、歯を磨けてないとか、そんな小さなことはどうでもいい。

奴らがいない。それだけで最高にハッピーだ。

翌朝。

ちょっと水浴びをしようと試みる。

パンツ一丁で蚊帳から飛び出し、新撰組元一番隊組長の斎藤一の牙突よりも早く、身体に水をかぶる。

これが失敗だった。

身体を晒したのはほんの数分だし、水をかぶり、僕は常に動いていた。しかし…。

なんという、奴らの攻撃力か。

死を恐れず果敢にイドンデクル奴らに、尊敬の念すら抱いてしまう。

僕は奴らに聞いた。「君はどうしてそんなに僕を襲ってくるんだい?」

奴らは答えた。「オマエみたいな美味しい血なんて滅多に吸えないからな。悪いけどいただかせてもらうぜ!」

僕の血は、極上らしい。

チームの中でも、圧倒的に蚊にやられたのは僕だ。

「オマエらが欲しがるくらいの微々たる血などくれてやってもいい。でも頼むから、その痒さと病気の媒介だけは勘弁してくれ…。」
心から思った。

まさに…まさに蚊の地獄だった。

僕は確信した。

この世が滅びるとき最後まで生き抜くのは、ハエとゴキブリと北斗神拳であると…!