湯沸しポットが壊れ、いつまでたってもお湯が沸きません。
電源コードは問題が無いので、本体を分解することにしました。
ポットの水を捨てて引っくり返しましたがどこを見てもねじが無く分解できません。
仕方が無いので、外側のケースや底の部分等あらゆる隙間を見つけて
マイナスドライバーを差し込みました。
どこに差し込んでもあまり開きそうな感触がありませんでしたが、
底の回転板のところがいくらか持ち上がりました。
そこでドライバーを奥まで差し込んでグッと持ち上げると
パリンという感じで持ち上がってきました。
回転板の周りを5箇所ぐらい同様にして持ち上げやっと外す事が出来ました。
後はねじが二本付いているだけで簡単に分解できました。
修理するとき、いつも思うのですが修理自体より、
修理する前の分解や取り外し等の段階が意外と手間がかかることが多いものです。
中を見ると電気関係は「湯沸しと保温」の表示ランプ、ヒーター、サーモスタット、
安全の為の温度ヒューズだけのとてもシンプルな構造となっていました。
テスターで各部品を当たってみると、サーモスタットの抵抗が無限大で、
その他は問題がありません。
サーモスタットは黒い樹脂とアルミで囲まれ、壊さない限り中を見れません。
安全の為この部品は絶対に必要なものです。
本当は新しい部品と交換したいのですが手持ちがありません。
サーモスタットの復活を願い駄目もとでやってみることにしました。
まず本体からサーモスタットを取り外しました。
多分サーモスタットの内部はバイメタルになっていて接点不良だと思います。
接点復活剤をサーモスタットのあらゆる箇所に吹付け、
それこそ漬け込むような感じで浸み込ませました。
テスターで抵抗の測定をしても全く変化はなく、
多分防水の為に隙間が無いからなのかもしれません。
次は、サーモスタットをドライバーで軽くコンコンと叩きました。
するとテスターの針がわずかに触れるようになりました。
又ドライバーで根気よく叩き続けると100Ω・50Ωと下がっていきました。
更に色々な角度から軽く叩き続けていくうちに 1~2Ω位まで下がりました。
後はいくら叩いても抵抗は下がりません。
そこで、サーモスタットをよく拭いた後、元に戻してからポットを組み直しました。
水を入れるとお湯が沸騰するようになり、さらに保温に切り替わるようになりました。
何回か水を足して沸騰と保温を繰り返した後サーモスタットをテスターで測定すると、
オンオフを繰り返したことにより接点が磨かれたのか、抵抗が0Ωになっていました。
完全に組み戻してから何回も沸騰、保温のテストをすると、
大体99.8℃~98℃位まで上がると「保温」に切り替わり、83.5℃位で
「沸かす」に切り替わりました。(自宅にあるデジタルキッチン温度計で測定)
家電製品なので万一の事故が心配でテストを何回も繰り返しました。