平成24年の自民憲法改正草案は正しく怪しいものである。⇒その4 前文解釈③
草案の二段目の「我が国は、先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、今や国際社会において重要な地位を占めており、平和主義の下、諸外国との友好関係を増進し、世界の平和と繁栄に貢献する。 」について検証してみると、その前半に余りに時限的な文言(「我が国は、先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、」)を書き示している。今後、他国の侵害があれば国家自衛の為の戦争は起こり得るのであり、もし、その様なことがあれば、「先の大戦による荒廃」の文言は削除されることになり、此の草案の永続性は否定され、又もや改憲を強いあることになり、我が国憲法を所謂軟性憲法に変容させる文言となる。
同じく、其れに続く「幾多の大災害を乗り越えて発展し」の文言も、此処十数年の間に起きた災害を髣髴させ、此れもまた、時限的な文言として此の草案の永続性を目指すには「要らぬ」ものと解釈せざるを得ないものである。
草案の三段目の「日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権を尊重するとともに、和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する。 」について検証してみると、此れは「教育勅語」を憲法に挿入したような押し付けがましさと、国民を見下した統治者の上から目線の傲慢さを感じさせるものとなっていることは否めまい。
続く。
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