魂魄の狐神

天道の真髄は如何に?

◆◆【我「老子」の私見を綴る】◆◆制惑第七十四

2012-06-28 22:29:54 | 学問

制惑第七十四

民不畏死、柰何以死懼之。若使民常畏死、而爲奇者、吾得執而殺之、孰敢。常有司殺者殺。夫代司殺者殺、是謂代大匠斲、夫代大匠斲者、希有不傷其手矣。

民、死を畏れざれば、いかんぞ死をもってこれを懼れしめん。もし民をして常に死を畏れしめて、而うして奇をなす者は、われ執えてこれを殺すを得るも、たれかあえてせん。常に司殺者ありて殺す。それ司殺者に代わりて殺す、これを大匠に代わりて斲ると謂う。それ大匠に代わりて斲る者は、その手を傷つけざることあるは希なり。

若し人民が暴政を酷く強いられて死をも恐れず抵抗した時、統治者は彼等を脅しで鎮圧出来ようか?若し人民総てが死を恐れるならば、悪いことをした者を捕まえて見せしめに死刑してしまえば、他の者が恐れずに乱行や悪事を働けるだろうか?天地の間には、自然に悪行を抑える力を司るものがあるので、一々人が此れに代わって力で解決する必要は無いのである。若し天によって力を与えられた司に取って代わって人の悪行を押さえ込もうと奮闘しても、例えば技術も持たずに大工に取って代わるような仕事は出来る筈も無く、怪我をしてしまうのが落ちであるような結果に終わる。


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