昨日は、まつりで疲れていたというのに
自宅から交通機関を乗り継いで小一時間ほど掛かるところへ
「落語」を見物しに行ってまいりました。
知人の経営するスタジオは、いわゆる「イベントスペース」ということで
ソシアルダンスやベリーダンス、タップダンスなどのダンスのショーや
ミュージシャンのライブ、札幌を拠点に活動しているお笑いタレントのライブ
その他、ネットサークルのオフ会、合コンなども行われている様です。
昨夜行われた落語は、そんなイベントの一部なのですが
落語と言っても、本物の噺家さんが来るのではなく
北海道大学の落語研究会の方の落語なので
会費は¥1,000で、ワンドリンクとおつまみ付きなので、結構お得。
今年の春頃から、毎月第2木曜日に定期的に行われていて
以前から、面白いからおいでと知人に誘われていたのですが
なんとなく行けないまま数ヶ月が過ぎてしまい
昨日、ようやく行ってきたわけです。
「面白いのに、まだあまり浸透していないせいか、お客さんがあまり集まらなくて
学生さんたちが可哀相なんだよね」
知人から、そんな話は聞いていましたが、行ってみてびっくり。
その日の観客は、なんと私1人!
学生さんたちは、「逆単独ライブだ」などと言って笑っていましたが
これでは、確かに張り合いが無くて可哀相かもしれない。
20数脚ほど用意された席のうち、私は、中央最前列に座りました。
公演時間は1時間で、落語を披露してくれる学生さんは全部で3人。
持ち時間は、1人約20分です。
景気のいいお囃子と共に、着物姿の学生さんが脇からそろそろと出てきて
私の前に用意された講座に上がり、深々とお辞儀をしました。
顔を上げた学成さんの目の前に私がいるわけですから、当然、目が合います。
学生さん、微かにですが、顔がひくひくしています。
これまで、何度かあちこちで落語を披露した経験があるらしいのですが
見た目はっきり分かるひくひくっぷり。
おそらく、大勢の前で話すことには多少は慣れているのでしょうが
観客が1人、しかも目の前という状況は、そうそうあるものではない。
私の方は、見る対象がひとつしかないのだから、彼を黙って見つめます。
話が始まりもしないうちからヘラヘラと笑うわけにも行かないので
ただ、黙って座って見ているだけなのですが
何分、目が大きいものですから、たたじっと相手を見ていると
結構な威圧感を与えてしまうようなのです。
ですが、私にとって初の生落語。
学生さんとは言え、落語は落語。
存分に楽しもうと、見構えているわけです。
学生さんは、色々と面白いことを言っているようなのですが
ひくひくしながら話しているので、いまいち面白く伝わらない。
まずい、笑えないと思いながら、更に私は彼に集中するので
彼は益々緊張し…。
ぐだぐだのまま持ち時間終了。
はけていく姿が哀愁です。
私のせいならごめん。
次に登場したのは女の子。
ほほう、女の子が。
そう思って、やっぱりじっと見る私。
先ほどの子ほどではないにしろ、やはり緊張しているらしく
口調が早口気味になっています。
身振り手振りの動作も小さくて、全体的にこじんまり。
どうしよう、笑えない。
無理にでも笑えない。
それに、無理に笑っても、馬鹿にしているように見えなくもない。
だから、無理をしない。
無理をしない私の表情が、彼女に「圧」をかけたらしく
見事な早口のまま、持ち時間終了。
あれだけ見事な早口で、かまないことがすごい。
などと、変なところに感心してしまいました。
そして、最後の学生さん登場。
深々とお辞儀をして顔を上げた彼は
先の2人とは違い、ニッコリと笑ってこちらを見ていました。
「秋は食べ物の美味しい季節でございまして」
口調も滑らかで、声の大きさも間の取り方も丁度良い。
世間話をからめての前振りから、本題の落語への繋ぎ方も上手で
一番感心したのは、登場人物1人1人の声と表情が全く違うこと。
本来、本物の落語はそうでなければいけないのですが
前の2人がコケてしまっただけに、彼の上手さが際立ちます。
上手いので、ついつい話しに引き込まれ
大したことのない冗談にも、つい笑ってしまいます。
そうすると、彼はますます饒舌に、面白くなってきます。
なるほどなぁ。
私たちでも、笑わせよう笑わせようとして言った冗談は大抵ウケず
何の気なしに発したひと言が、予想外の笑いを招くことがありますが
つまり、相手を無理に「こうしよう」と思うと失敗しやすいということでしょうか。
相手の反応を見ながら、流れに沿って自分が動けば
無理をしなくても、相手も自然な反応を返してくれるのかもしれない。
なんだか、面白い。
(3人目の)落語も面白かったけど
3人ともひっくるめた、全体の流れが、なんだかとても面白かった。
今度は、ためしにさっちゃんを連れて行ってみよう。
あの子は、退屈すると直ぐに寝てしまうから
私よりも難しい観客になるに違いない。
学生さんたちのお手並み拝見といきましょう。
自宅から交通機関を乗り継いで小一時間ほど掛かるところへ
「落語」を見物しに行ってまいりました。
知人の経営するスタジオは、いわゆる「イベントスペース」ということで
ソシアルダンスやベリーダンス、タップダンスなどのダンスのショーや
ミュージシャンのライブ、札幌を拠点に活動しているお笑いタレントのライブ
その他、ネットサークルのオフ会、合コンなども行われている様です。
昨夜行われた落語は、そんなイベントの一部なのですが
落語と言っても、本物の噺家さんが来るのではなく
北海道大学の落語研究会の方の落語なので
会費は¥1,000で、ワンドリンクとおつまみ付きなので、結構お得。
今年の春頃から、毎月第2木曜日に定期的に行われていて
以前から、面白いからおいでと知人に誘われていたのですが
なんとなく行けないまま数ヶ月が過ぎてしまい
昨日、ようやく行ってきたわけです。
「面白いのに、まだあまり浸透していないせいか、お客さんがあまり集まらなくて
学生さんたちが可哀相なんだよね」
知人から、そんな話は聞いていましたが、行ってみてびっくり。
その日の観客は、なんと私1人!
学生さんたちは、「逆単独ライブだ」などと言って笑っていましたが
これでは、確かに張り合いが無くて可哀相かもしれない。
20数脚ほど用意された席のうち、私は、中央最前列に座りました。
公演時間は1時間で、落語を披露してくれる学生さんは全部で3人。
持ち時間は、1人約20分です。
景気のいいお囃子と共に、着物姿の学生さんが脇からそろそろと出てきて
私の前に用意された講座に上がり、深々とお辞儀をしました。
顔を上げた学成さんの目の前に私がいるわけですから、当然、目が合います。
学生さん、微かにですが、顔がひくひくしています。
これまで、何度かあちこちで落語を披露した経験があるらしいのですが
見た目はっきり分かるひくひくっぷり。
おそらく、大勢の前で話すことには多少は慣れているのでしょうが
観客が1人、しかも目の前という状況は、そうそうあるものではない。
私の方は、見る対象がひとつしかないのだから、彼を黙って見つめます。
話が始まりもしないうちからヘラヘラと笑うわけにも行かないので
ただ、黙って座って見ているだけなのですが
何分、目が大きいものですから、たたじっと相手を見ていると
結構な威圧感を与えてしまうようなのです。
ですが、私にとって初の生落語。
学生さんとは言え、落語は落語。
存分に楽しもうと、見構えているわけです。
学生さんは、色々と面白いことを言っているようなのですが
ひくひくしながら話しているので、いまいち面白く伝わらない。
まずい、笑えないと思いながら、更に私は彼に集中するので
彼は益々緊張し…。
ぐだぐだのまま持ち時間終了。
はけていく姿が哀愁です。
私のせいならごめん。
次に登場したのは女の子。
ほほう、女の子が。
そう思って、やっぱりじっと見る私。
先ほどの子ほどではないにしろ、やはり緊張しているらしく
口調が早口気味になっています。
身振り手振りの動作も小さくて、全体的にこじんまり。
どうしよう、笑えない。
無理にでも笑えない。
それに、無理に笑っても、馬鹿にしているように見えなくもない。
だから、無理をしない。
無理をしない私の表情が、彼女に「圧」をかけたらしく
見事な早口のまま、持ち時間終了。
あれだけ見事な早口で、かまないことがすごい。
などと、変なところに感心してしまいました。
そして、最後の学生さん登場。
深々とお辞儀をして顔を上げた彼は
先の2人とは違い、ニッコリと笑ってこちらを見ていました。
「秋は食べ物の美味しい季節でございまして」
口調も滑らかで、声の大きさも間の取り方も丁度良い。
世間話をからめての前振りから、本題の落語への繋ぎ方も上手で
一番感心したのは、登場人物1人1人の声と表情が全く違うこと。
本来、本物の落語はそうでなければいけないのですが
前の2人がコケてしまっただけに、彼の上手さが際立ちます。
上手いので、ついつい話しに引き込まれ
大したことのない冗談にも、つい笑ってしまいます。
そうすると、彼はますます饒舌に、面白くなってきます。
なるほどなぁ。
私たちでも、笑わせよう笑わせようとして言った冗談は大抵ウケず
何の気なしに発したひと言が、予想外の笑いを招くことがありますが
つまり、相手を無理に「こうしよう」と思うと失敗しやすいということでしょうか。
相手の反応を見ながら、流れに沿って自分が動けば
無理をしなくても、相手も自然な反応を返してくれるのかもしれない。
なんだか、面白い。
(3人目の)落語も面白かったけど
3人ともひっくるめた、全体の流れが、なんだかとても面白かった。
今度は、ためしにさっちゃんを連れて行ってみよう。
あの子は、退屈すると直ぐに寝てしまうから
私よりも難しい観客になるに違いない。
学生さんたちのお手並み拝見といきましょう。