吐露と旅する

きっと明日はいい天気♪

したたかな薄目

2014-01-18 23:35:27 | インポート
今日、バスの中で、お母さんに抱っこされて寝ている、小さな女の子を見掛けました。
2歳くらいでしょうか、とても気持ち良さそうに、すやすやと寝ています。

お母さんは、まだ20代前半くらいの、若くて可愛らしい、小柄なお母さんです。
お買い物の帰りなのか、足元には大きな手提げ袋。

やがて、降りるバス停が近付いてきた様です。

お母さんは、女の子をの肩を軽くぽんぽんと叩いて起こします。

女の子は、目をさましません。

お母さんは、女の子の耳に何か囁き掛けながら
また、ぽんぽんと肩を叩きます。

女の子は、目をさましません。

お母さんは諦めて、左手に女の子を抱いて立ち上がると
右手で足元の手提げ袋を持つと、勢いをつけて立ち上がり
バスを降りるために、降車口に向かって歩き出しました。
お母さんの立ち姿は、座っていたときよりも、もっと小柄でしたが
子供を抱く姿っかりとしていて、頼もしい感じすら受けました。

お母さんの左肩越しに、女の子の顔が見えました。

薄目を開けて、お母さんの首に両手を巻き付けています。

......起きてる......?

女の子は、本当は目をさましていたのです。

でも、お母さんの抱っこが、気持ちよくて、温かくて。
そして出来れば、バスを降りた後、冬道を歩きたくなくて。

薄目を開けたまま、お母さんの首に両手を巻き付けている女の子の顔を見ながら
私は思わず、にやっと笑ってしまいました。

左手に子供、右手に大きな荷物を下げた、大変なお母さんには悪いけど
2人の姿が、なんだかとっても微笑ましくて。

でもね、意外と大丈夫なんですよ。
子供が重くても、荷物が重くても。
毎日やっていることだから、なんとなく当たり前になってしまって
いつの間にか、そんなに大変に思えなくなってしまうんですよね。

お母さんが、やっぱり自分は大変なんじゃないかと気付く頃には
子供は、抱っこされているよりも、自由に動き回っている方が楽しくなって
ちゃんと、自分で歩くようになっているはずだから。