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勤め先の近くにある、イタリアン居酒屋では、お昼に2時間だけランチタイムの営業をしています。
お店の外に掲示されたメニュー表には、パスタにピザに、ラザニア
グラタン、ドリア、なんと、オムライス・・・
おお、鉄板ナポリタンまであるではないですか!!
でも、このお店は、ランチタイムの営業が12:00〜14:00と、私がお仕事をしている真っ最中
、更に、夜の居酒屋としての営業が17:00からと、既に私が家に帰ってからの時間なので
どんなにメニューが気になっても、なかなか店内に入るタイミングが掴めません。
外から見ると、狭くて、薄暗くて、乱雑そうな感じで
もしかしたら、キッチンには陰気なおやじが薄汚い前掛けをして
テレビをぼんやり眺めているんじゃないだろうか。
そのおやじは、咳やくしゃみをするときに、手で口を覆わないような人なのではないか。
お店に入れないせいで、深まる興味、広がる妄想。
そして、今日。
どうしても、鉄板ナポリタンが食べたくて、食べたくて
ついに、我慢が出来なくなって、お昼休みに行ってしまいました。
寒いけど。
少し距離があるけど。
でも、鉄板ナポリタン!!
店内は、予想通り、狭くて、薄暗かったけれど、乱雑というほどではなく
少々壁が古ぼけて薄汚れている程度。
そして、マスターは、「昔はワルやってました」みたいな雰囲気の、50代半ばくらいのおじさんで
陰気でもなければ、薄汚いエプロンもしていなくて、むしろ話好きな、気さくな方でした。
オーダーは、もちろん、鉄板ナポリタン(¥700)
15分ほどして、私の前に運ばれてきた鉄板は、じゅうじゅうと、こちらを威嚇するような音を立てていて
上に盛り付けられたナポリタンからは、もわもわと白い湯気か立っています。
そして、その鉄板の上のナポリタンは、中央が少し窪んでいて
窪みの中には、生卵が落としてあります。
フォークで麺を巻き取ると、鉄板に熱で張り付いていた麺が
ぱりぱりと小さな音を立ててて剥がれてきました。
フォークに巻き付いた、トマト色の麺を、ふぅふぅと息を吹き掛けて冷ましてから口へ運ぶと
さっきまで鉄板に張り付いていた、こりこりと口の中で香ばしい音をたてました。
美味しい。
もわもわとした湯気の中で、じゅうじゅうと音を音を立てるナポリタンの、麺が焦げてこりこり・・・。
ああ、幸せだっ!!