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労働運動の階級的・民主的強化で、「国民が主人公」の日本を

2025年02月24日 12時37分40秒 | 一言

千葉 志位議長の講演から

 15日に千葉市内の千葉土建県本部会館で行われた、日本共産党千葉県労働者後援会主催の「労働者のつどい」での日本共産党の志位和夫議長の講演のなかから、労働運動にかかわる部分を紹介します。発表にあたって修正・加筆しています。


「賃上げも、時短も」――たたかいによって勝ち取ろう

写真

(写真)図を示し、質問に答える志位和夫議長=15日、千葉市中央区

 質問 実質賃金が下がり続けていますが、その一方で、長時間労働がまん延しています。私たち、建設労働者は、たたかいによって週休2日を勝ち取ってきているのですが、そのために賃金が下がってしまったという問題もあります。ズバリ、賃上げと時短を同時に実現することはできるのでしょうか。

資本は「二者択一」を迫ってくる――労働者は団結して両方を勝ち取ろう

 志位 たいへんに大事な質問です。ズバリ、賃上げと時短は両方できるし、両方を勝ち取らなければいけないと言いたいと思います。

 資本は、「賃上げか、時短か」――「二者択一」を迫ってきます。「賃金を上げてほしければたくさん働け」、「休みを増やしてほしいんだったら賃下げで我慢しろ」、こう言ってくるわけです。資本というのは強欲なものです。その罠(わな)に陥ってはならない。それに対して、労働者は、「賃上げも、時短も」という旗印を堂々とかかげて、団結したたたかいで勝ち取っていく必要があると思います。

 これは、なによりも労働者の要求ではないですか。賃金でいえば、ピークの1996年に比べて、実質賃金は年74万円も下がっている。労働時間でいうと、ヨーロッパに比べて年300時間も長く働かされている。こうしたもと、「賃上げ」と「時短」、どちらが欠けても豊かな暮らしとはいえない。「賃上げも、時短も」は当たり前の要求です。

 建設労働者のみなさんから話を聞きますと、この間、週休2日制が広がったことは前進だが、賃金が下がってしまったところもあると聞きます。建設のみなさんが「給料の大幅引き上げ」と一体に「完全週休2日制」を求めてたたかってきたことは、本当に大切なたたかいだと思います。建設労働者のみなさんにとって、「完全週休2日制」は絶対必要です。同時に、給料の大幅引き上げも絶対必要です。たたかいの力で両方を勝ち取っていきたいと思うんです。

労働者のたたかい、政治に責任を果たさせる――二つの力が必要

 二つ目に言いたいのは、そのための体力を大企業は持っているということです。この間、大企業は、空前の利益を毎年あげています。ところがそれを株主にはまわすが、労働者にはまわしてこなかった。その結果、内部留保が539兆円まで積み上がっています。このごく一部をまわしただけで、賃上げも時短も両方実現できます。

 大企業の内部留保を、どうやって賃上げと、時短のために使わせるか。二つの力が必要です。一つは、何と言っても労働者のたたかいの力です。もう一つは、政治に責任を果たさせるということです。

 日本共産党は、大企業の内部留保の増加分に時限的に税金をかけ、10兆円ほどお金をつくって、中小企業の賃上げへの直接支援にあてよう、大企業で働く人の賃上げも促進しようという具体的な提案をしています。

 建設労働者について言いますと、公契約条例、公契約法――公の発注で働く人の労働条件を、条例や法律で保障していくことがどうしても必要で、ぜひ実現していきたい。また、建設で働く人の場合、大手ゼネコンや大手住宅メーカーの下請け構造のなかで、ピンハネがされています。ピンハネを抑えるルールをつくっていく必要がある。

 さらに、労働時間が短くなったら賃金が下がってしまったという話でしたが、建設労働者の場合、「日給月払い」が多い。この給与形態だと時短が賃下げに連動しやすい。天候が悪くて仕事ができない場合も賃金が下がってしまう。この給与形態を「月給固定制」にすることが、多くの建設労働者の要求だと聞きました。そういうたたかいも大切です。

「お金」も「自由な時間」も搾取されている――ならば両方とも取り戻そう

 ここでさらに根本的に考えてみたい。そもそも資本による搾取によって労働者から奪われているものは何だろうかという大問題です。私たちの大先輩のマルクスは、資本主義的な搾取の仕組みを人類で初めて解明していくのですが、それを『資本論』で明らかにしていくなかで、搾取によって労働者が奪われているものは何だろうかということを考え抜いていくんです。たしかに「お金」が奪われている。しかしそれだけじゃない。「自由な時間」が奪われている。このことをずっと突き止めていくんです。

 どのぐらい奪われているのか。ある研究者の推計によりますと、全産業の雇用者の推計を8時間労働に換算しますと、必要労働時間――労働者の生活費を賄うために必要な労働時間は3時間42分、剰余労働時間――それを超えた労働時間は4時間18分です。この剰余労働で搾取されているものは何だろうと考えると、「お金」が搾取されています。この部分は、いわばただ働きの不払い労働になっている。同時に、「自由な時間」も搾取されています。この4時間18分というのは、ほんらい労働者の「自由な時間」であるべきものです。「お金」も「自由な時間」も搾取されているのが資本主義なんです。ならば両方とも取り戻そうというのが、科学的社会主義の呼びかけなんですが、どうでしょうか。

ロンドンの建築労働者の大ストライキと『資本論』

 マルクスの話になったので、マルクスと建築労働者のかかわりについて、お話しさせていただきたいと思います。

 マルクスは1850年代末から60年代前半にかけて、「自由な時間」の探究をすすめていた時期に、9時間労働への労働時間短縮と賃上げを求めたロンドンの建築労働者のストライキの大闘争を注目し、突っ込んで研究し、連帯する論陣をはっています。当時のイギリスでは、建築業の規模と比重が大きく、建築労働組合が労働組合運動のなかで重要な地位を占めていました。1864年に創設されたインタナショナル(国際労働者協会)という世界で初めての労働者の国際団体の執行部にも、この大闘争に参加した建築労働者が入っており、マルクスはインタナショナルでも建築労働者との交流を重ねていました。

 『資本論』を読みますと、「時間賃銀を押しつけようとする資本家たちの企てに反対して、建築業に従事するロンドンの労働者たちが蜂起した(1860年)のは、まったく理にかなったことであった」(新版『資本論』(3)、948ページ)とそのたたかいを高く評価しています。今日の日本の建設労働者の場合、「日給月払い」が一つの問題ですが、当時は、「時間賃銀」(1時間払い制度)が大問題で、この労賃の形態によるひどい搾取をただせということと、9時間労働制を確立せよということを、一体に掲げてたたかったわけです。建築労働者のたたかいの研究は、『資本論草稿』でも詳細に記されており(『資本論草稿集』(4)301~302ページ)、この問題の分析の前後に「自由な時間」についての論究が書き付けてあることも注目点です。

 私が強調したいのは、マルクスは、「自由な時間」を拡大することの意義を、頭の中で考えだしただけではない。ロンドンの建築労働者の大ストライキを研究し、理論をつくっていったということです。

 このように『資本論』というのは、みなさんの大先輩であるロンドンの建築労働者のたたかいが詰まった本でもあるんです。ぜひ先輩たちのそういう闘争を、この日本でも発展的に引き継ごうではないかということを言いたいと思います。

「自由な時間」をたたかいとることは、労働者の解放の「先決条件」

 質問 勤務が忙しくなるなかで、休日に組合活動に参加できない状況があります。どう考えたらよいのでしょうか。

 志位 たしかにそうした悩みが多いことは分かります。この質問に対しては、マルクスがインタナショナルにあてた次の言葉を贈りたいと思います。

 「われわれは、労働日の制限が、それなしには他のすべての〔改善と〕解放の試みがすべて失敗に終わらざるをえない先決条件であると言明する」

 「先決条件」。最優先課題だということですね。これをやらなかったら労働者の解放はできない。労働者が、長時間労働におかれたままでは、知的・精神的な発展は得られません。労働者が社会的交流に参加し、団結してたたかうこともできません。団結して労働者がたたかおうと思ったら「自由な時間」が必要です。

 これもたたかいによって「自由な時間」を拡大し、その「自由な時間」を使って組合活動をどんどんやる。党の活動もやっていく。たたかいのなかで、こういう問題を解決していきましょう。

 「自由な時間」の獲得は労働者の解放の「先決条件」だ――この言葉を胸に刻んで頑張りたいと思います。

労働運動の力強い前進のためにも、日本共産党を強く大きくしよう

 志位 最後に訴えたいのは労働運動の問題です。先ほど、欧州ではたたかいによって「社会的ルール」をつくっていった長い歴史があるというお話をしましたが、欧州と日本の違いを考えた場合に、欧州では労働運動が非常に大きな社会的地位を占めている。このことに強い感銘を受けました。

 欧州では、政労使――政府と労働者と経営者――「三者構成主義」による協議と労働・経済政策の決定という、労働者の要求が力強く反映する枠組みが働いています。EU(欧州連合)レベルでも各国レベルでもこの枠組みが働いています。その国に複数の労働運動の全国組織がある場合には、どの全国組織にも労働者代表としてこの枠組みに参加する権利が保障されています。たとえばフランスには五つのナショナルセンターがありますが、五つのすべてに労働者の代表性が認められています。

 この「三者構成主義」は自然にできたわけではありません。平和と労働条件改善を求める人民のたたかいがつくりだしたものです。1919年に創設されたILO(国際労働機関)は「三者構成主義」の原則のもとにつくられ、それに続いて大きな契機になったのは1936年、フランスで成立した反ファシズム人民戦線政府でした。労働者のたたかいの高揚のなかで、首相官邸(マティニヨン宮)に労働者と経営者の代表が集まり、「マティニヨン協定」が結ばれ、世界で初めての週40時間労働と年2週の有給休暇(バカンス)が実現しました。

 こうしたたたかいの歴史を背景にして、欧州では労働組合の社会的地位が非常に高い。それでは日本はどうでしょうか。日本でも全労連が、階級的・民主的ナショナルセンターとして先駆的な奮闘を続けています。ところが日本では、全労連が、労働政策審議会や最低賃金審議会をはじめとする政府直轄の各種審議会から全面的に排除されています。こうした事態に対して、ILO理事会から「すべての代表的な労働組合組織を公正・平等にあつかうべき」との日本政府への勧告が出されています。これは日本社会の大きな弱点と言わなければなりません。

 そういうもとで、いかにして欧州のように政労使で物事を決めていく社会にしていくかを考えるならば、強大な階級的・民主的な労働組合運動をつくっていくことがどうしても必要です。これは日本の社会の前途にかかわる大きな課題です。

 そして日本共産党は、労働者階級の解放を目指す政党です。まず民主主義の日本、そして社会主義・共産主義の社会を目指す政党です。そうした社会変革の事業を、労働者の多数を結集できなくてどうしてできるでしょうか。

 労働者の多数を結集するときに、労働組合は、本当に重要な決定的役割を果たします。そして、労働組合運動を、その本来の性格にふさわしく、階級的にも、民主的にも強化し、拡大する一番の力になってくるのが、日本共産党員を増やすことです。日本共産党員を増やして、社会発展の揺るがない展望を持って、どんな困難にも負けずに頑張れる同志を増やしていくことが、日本の労働組合を発展させる大きな力になるし、国民が主人公の新しい日本をつくる一番の力になります。働くものが大切にされる社会をつくるために、どうかこの機会に、日本共産党に入党されることを、心から訴えるものです。


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