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学術会議法人化

2024年12月29日 16時48分13秒 | 一言

政治介入による変質を許すな

 「学術会議の独立性を脅かす」という深刻な懸念が日本学術会議や多くの科学者からあがっています。

 内閣府の「日本学術会議の在り方に関する有識者懇談会」の「学術会議法人化のための最終報告」(20日)は、自律的であるべき学術会議の活動に政府が介入するしくみを盛り込みました。「学術会議の政府への従属を招く」という批判があがっています。最終報告の法制化は許されません。撤回すべきです。

■独立性を掘り崩す

 最終報告は、(1)主務大臣任命の評価委員会や監事を定め、学術会議の活動をチェックする(2)外部者が学術会議に意見をのべる選考助言委員会や運営助言委員会を設置する(3)新たな学術会議の最初の会員選考は現行方式(現会員が選考)をとらない―などを法定するとしています。学術会議の活動や会員選考を政府や外部勢力によって方向づけることになり、「独立して職務を行う」という現行制度の根幹が掘り崩されます。

 「改革」の理由について最終報告は、学術会議の「国民から求められる機能」「国民に説明する仕組み」「国民が納得できるメンバー」を担保するためとします。しかし、これらは学術会議が自らの責任で自律的に果たすべきものです。国民の支持を失った少数与党政権が「国民」をかたって学術会議に介入することは許されません。

 「国民に説明する」必要をいうなら、2020年10月に菅義偉首相(当時)が6人の会員を任命拒否した理由を、政府が説明すべきです。「法人化」問題の発端は、任命拒否への社会的批判に対して菅首相が「学術会議のあり方」に問題をすり替えたことにあります。違憲、違法な任命拒否の撤回こそ急務です。

 学術会議の光石衛会長は22日の総会で「学術会議がなくされる危機感があった」とのべました。そうした事態に政府が追い込んだとすれば、行政権を悪用した政治介入であり、国民的な批判を免れません。

 政府は“国が金を出すのだから口を出すのは当然”と学術会議への介入を合理化しています。しかし、学術会議は国の機関でありながら「政治的便宜のための制肘(せいちゅう)を受けることのないよう、高度の自主性が与えられて」います(1949年1月、学術会議発会式への吉田茂首相の祝辞)。憲法が「学問の自由」を保障しているからです。今回の法人化方針はこれを壊そうとするもので、任命拒否につづく暴挙です。

■設立の原点を守れ

 学術会議は、戦前の政府が科学者や学術機関を統制して戦争に協力させた反省から設立されました。第1回総会は、「わが国の科学者がとりきたった態度について深く反省し」「人類の平和のため…学術の進歩に寄与する」ことを決議しました。3度にわたり「軍事研究を行わない」声明をだし、学術の軍事利用をはばむ役割を果たしています。

 自公政権が「戦争する国」をつくるうえで、妨げとなっている学術会議を変質させることに、政府の「学術会議改革」の狙いがあります。学術会議の独立性を守ることは、平和と科学的真理を希求するすべての国民にとって、ゆるがせにできない問題です。


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