政治改革の本丸に手をつけよ
24日召集の通常国会では、企業・団体献金の禁止が政治改革の最大の焦点となります。石破茂政権は衆院で少数与党に追い込まれており、数の力で強行突破をはかることはできません。通常国会では、企業・団体献金をめぐる議論に正面から向き合うべきです。
リクルート事件など相次ぐ汚職政治を受け1994年に成立した「政治改革関連法」は、企業・団体献金について、全面的に禁止することを前提に「5年後に見直しを行う」としていました。しかし、5年後に政治家個人への企業・団体献金は禁止されたものの、政党本部と支部に対するものは「抜け道」として残され、今も全面禁止は実現していません。
■合意当事者が証言
金権腐敗政治の大本にある企業・団体献金の全面禁止は30年間放置されてきた政治改革の本丸です。再び棚上げすることは許されません。
石破首相は94年の「政治改革関連法」をめぐる、当時の細川護熙連立政権と野党だった自民党との合意に関し「政党助成金を導入する代わりに、企業・団体献金は廃止の方向となった事実はない」「(当時)企業・団体献金がなくなるという意識を持った者は少なくとも自由民主党にはいなかった」(昨年12月5日の衆院予算委員会)などと述べています。しかし、この主張は全く成り立ちません。
当時、自民党総裁として合意の当事者だった河野洋平氏(元衆院議長)は昨年12月23日の国会内の講演で「企業・団体献金をやらないために政党交付金(助成金)を導入した。細川護煕首相もそう思っていた」と指摘し、「30年たっても禁止されないのは問題だ」と強調。当時の自民党に関する石破氏の認識については「その時に石破さんは(離党して)自民党にいなかったはずだから、分からないのだろう」と反論しています。
細川氏も今月14日付の「毎日」のインタビューで「政党助成制度と企業・団体献金の禁止は直接関係ない、と石破さんは言っておられましたけれど、誰が考えても『二重取り』なんですね。献金が正当化されるような総理の発言は、私は全く納得がいかない」「廃止が細川内閣の基本方針だった」と批判。河野氏が企業・団体献金と政党助成金は「トレードオフ(両立できない関係)」と発言していることに触れ、「私もそういう感覚でした」と述べ、「30年間、放っておいていい問題ではない」と強調しています。
■先送りは許されぬ
企業・団体献金に固執する自民党は「企業献金が悪で、個人献金は善との立場はとらない」(小泉進次郎議員、昨年12月12日の衆院政治改革特別委員会)と繰り返しています。しかし、営利が目的の企業が献金するのは政治に対する影響力を行使するためです。資金力のある企業や団体の意向によって政策がゆがめられるのは避けられません。
昨年の臨時国会で成立した「政治改革関連3法」では、企業・団体献金をどうするかについては今年3月末までに結論を得ると先送りにされました。今こそ、30年来の“宿題”を果たし、金権腐敗政治に終止符を打つ時です。
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