6月29日付けの新聞報道(産経新聞)によると橋下氏は次期衆議院選挙について公約として消費税の完全地方税化と地方交付税の廃止を挙げこの二つが最大争点であるとしたそうで有ります。しかし前々回の投稿でも明らかにしましたように、地方交付税は地方の税収能力の低いところにその不足分を穴埋めする物であり、消費税は当然考えても解るように都市部ほど税収が上がるわけでありこれを”交換”するとなると当然、山間郡部ほど税収が少なくしたっがて郡部ほど消費税率を上げなければならない事になるでありましょう。
また額で言うなら、現況では地方交付税は年約16兆円(但し其の外に”臨時財政対策債”というものがありこれは交付税の不足分を地方団体に起債を認める物であり(平成13年度より)年間5~7兆円あるもので本来的に地方交付税分として考えられる物であり)、それらを合計するなら年間22~23兆円になるものと思われる。
それにたいし消費税は現在の5%で約12兆円うち4%分(約10兆円)が国分、1%分が既に地方消費税として地方団体のものになる。従って現段階で上記交付税金額とその10兆円分の差額が不足する事態となる。つまり話的にこれだけ額の差があると言う事は”地方税化”と言う事は少なくとも10%への引上げを前提していると言う事でありましょう。
これについて橋下氏はそのツイートで消費税の別の分配法を作ると述べていますがそれでは何のための税制”改革”?(交換)か理由不明でありましょう。橋下氏自体少なくとも2月頃には引き上げ賛成であったわけであり、突如としてその”地方税化”を言い出したわけであり、其の理由については殆どと言うか全く触れていません。国会は既に衆議院を通過し近いうちに選挙も近いと思われますが其の頃には”既に参議院も通過し既に10%引上げはかたがついている”であれば例え地方税化を言っても自分たちは其の責をとわれないとでも思っているのでしょうか?(又地方税化としておけば国の責任はないと言う事になり維新の会として税率引上げの意見表明はしなくてよいと言う事でしょうか)
またこの上記二点(消費税の地方税化、地方交付税の廃止)が最大争点である旨述べたそうであるが争点を勝手に作られても困るわけでありましてそもそも上記二点は急に橋下氏が言い出したことであり全く国民の関心とは異なる物であります。国民の関心即ち次期選挙の争点は以前にも書きましたが
①財政再建をどの様に進めるか
②その際消費税の税率引き上げに賛成か、反対か反対とするならその財源は何か
③切捨てが連続する社会保障の充実をどの様に進めるか
④日本の勤労者の1/3を占め低賃金の温床になっている非正規の問題をどうするか
⑤原発につきどの様な態度をとるか、また東北の復興をどうするか
⑥TPP参加に賛成か、反対か
⑦沖縄の米軍基地問題
⑧それらを総合して不況打開をどう進めるか
等でありましょう。勝手に自分の興味を述べてそれが選挙の争点であると言われても迷惑な話であり、なにか狙いがあるのかとも思うところであります。