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1997年から27年間、日本経済は長期にわたる停滞を続けてきた。一世代を30年とすれば、27年間はほぼ一世代である。一世代は人々の意識を変えるには十分な時間であって、新自由主義という「ものの見方」が世を覆ってしまった。このものの見方は経済で考えると自由放任主義である。「ものの見方」はイデオロギーとも言う。
このイデオロギーのもとでは停滞の原因として様々なことが挙げられ、対策も挙げられてきた。しかしその全ては原因にも対策にもなっていない。なっていないから長期停滞が続いている。
筆者は日本の貧困の根本には「経済学の貧困」があると考えている。
かつてマルクスは「哲学の貧困」を著して当時の主流派哲学を批判し経済学の研究へと歩を進めた。マルクスが発見した「資本の運動法則」をケインズが再発見(あるいは再定義)し「有効需要の原理」と名付け「一般理論」を著した。
今やマルクスどころかケインズすら経済学者が言及することはないが、その経済学者が依拠しているのはマルクスとケインズが二人がかりで批判したリカードである。もっとも本人たちは気づいておおらず、「最新の経済理論」を学んできたつもりかもしれないが・・・
マルクスもケインズもリカードに代表される古典派理論に対する批判を書き残しているので、筆者ごときが付け加えることは何もない。だから本ブログ読者にはマルクスやケインズを読んでいただきたいが、それもなかなか叶わぬであろう。
そこで筆者なりの新古典派・現代正統派批判のエッセンスを残しておく。エッセンスはそのままでは現実と格闘することはできない。このエッセンスないしは骨格に筋肉をつけていくのは読者にかかっている。
以下続く