意見4:以下【1】「FCTCに沿い、喫煙率ゼロ+受動喫煙ゼロ目標の実現を」
【3】「FCTCに沿い、タバコの添加物や健康警告など健康権限を移管すべき」の続きです。
1.タバコ(加熱式タバコを含め)の主成分は、葉タバコに元々含まれるニコチンですが、香り、風味・甘味、深く吸い込ませるためなどで、香料、甘味料、フレーバー、メンソールなど数多くの添加物が含まれ、喫煙者の感覚を麻痺させたり、依存性を高めたりすることが報告されている。
そのため、WHOの「タバコ規制枠組条約」(FCTC)第9条および第10条 では、たばこの添加物に関する科学的な評価や規制を推奨している。http://www.nosmoke55.jp/data/cop4_9_10_201103.pdf
2.しかし我が国では、これらタバコの添加物は、法律の対象外で、たばこ事業法等では、タバコ製品に使用される添加物の種類や量について定めておらず、タバコ製造者は自由に様々の添加をし、タバコの依存性を強め、またタバコ使用を若者に引き込もうとしている。(JTは自主的に自社製品に使用される主要な添加物を公開はしてはいるが、これら添加物の人体影響を評価したり、添加の理由を明記したものではない。https://www.jti.co.jp/tobacco/responsibilities/guidelines/additive/)
3.諸外国の例として、アメリカではタバコの添加物を規制する法律「家族喫煙予防・たばこ管理法」(2009年に制定)により、FDA(食品医薬品局)は、タバコ製品に使用される添加物の安全性や影響を評価し、必要に応じて規制する権限を持っている。例えばFDAは、メンソールやフレーバーなどの添加物が、喫煙者の依存性や健康被害を増加させると判断し、その使用を禁止する方針を発表し、また、タバコ製品に含まれるニコチンの量を低減することで、中毒性や喫煙率を減らすことを目指している。
4. EUでは、タバコの添加物を規制する法律として、2014年に「タバコ製品指令」が制定され、メンソールやフレーバーなどの添加物が禁止された(https://sustainablejapan.jp/2016/06/03/ecj-tobacco/22468)。
カナダでは、2017年に「たばこと蒸気製品法」が施行され、メンソールやフレーバーなどの添加物が禁止され、また電子たばこのメーカーに対しても、販売状況や成分に関する情報を保健省に報告することが義務付けられている。など、、
5.食品添加物については、蓄積された多くの科学的知見に基づき、分類やデータベースなどで細かい規制がなされている。吸入薬についても臨床治験データなどを基に認可がされている。ニコチンが含まれる電子タバコについては、我が国では薬機法上で製造販売が禁止されている。
しかるに、タバコの吸入・喫煙の添加物について、口腔・気道・肺や全身への有害性などが不明あるいは評価外にもかかわらず、我が国では全くの規制外で(何もなく)、たばこ事業法等では、タバコ製品に使用される添加物の種類や量について何も定めておらず、タバコの製造者は自由に様々の物を添加をし、タバコの依存性を強め、またタバコ使用に若者に引き込もうとしている。
6.以上に加えて、加熱式タバコでは、ニコチン量等の成分が全て非表示で、この理由としては「吸入による測定の標準的な方法が確立していないため」とのことあるが、加熱式タバコに含まれる成分量を表示するなどの方法もあるはずではないか。
成分が非表示をこれ幸いと、加熱式タバコにはそのニコチン量も添加物量も明示しないまま「史上最強メンソール」などの広告宣伝が溢れている現状がまかり通っている。
7.「元々有害で依存性のあるタバコに、有害性が不明で、人への健康影響評価がなされていない添加物をどんなに加えても構わないではないか。喫煙者は全ての害を承知の上で、自己責任で吸っているだろうから許されるのでは。」とでもタバコの製造販売者は考え、もしかして国も同調しているのだろうか?
8.国民の健康づくりに責務を有する厚生労働省は、この現状を拱手傍観し続けるのだろうか? 財務省は、たばこ事業法にしがみついて「我が国たばこ産業の健全な発展を図り、もつて財政収入の安定的確保及び国民経済の健全な発展に資することを目的とする 」ことを国是と、喫煙者を含めた国民の健康をタバコの害から守る施策をないがしろにし続けるのだろうか?
FCTCの遵守に責務を有する政府は、この現状を放任し続けるのだろうか? 少なくとも先進国並みにタバコの添加物を規制する法律およびその監督機関を早急に創り・起ちあげるべきではないだろうか?
それらなくしては、タバコの危害から国民の健康を守り推進し、
「第三次国民健康づくり運動(健康日本 21(第三次))を推進する」に高く掲げられている
「第一 国民の健康の増進の推進に関する基本的な事項
一 健康寿命の延伸と健康格差の縮小
二 個人の行動と健康状態の改善 健康寿命をする
三 社会環境の質の向上
四 ライフコースアプローチを踏まえた健康づくり」
は、不十分&不完全なままとなり、タバコ施策の数値目標の実現などは夢のまた夢になり続けることだろう。