日本以外の国の文化、制度の底辺には、性悪説がある。 欧米では、国家権力に対する性悪説が、三権(司法、行政、立法)分立による相互抑止と、第四権力マスコミによる三権のさらなる監視という制度を生んだといってもよい。
飛鳥・奈良時代から日本は、国家制度や思想のほとんどを海外から輸入してきた。 幕末までは中国、維新後はヨーロッパ、敗戦後はアメリカ。 平安時代に日本オリジナルの仮名文化が生まれながらも、明治 . . . 本文を読む
大学院時代の恩師は、政府委員を務めるほどの権威だったから、研究室名を冠した名刺は水戸の印籠のようだった(拙著を読了していない方にはネタばれです。ごめんなさい)。 資料を集めるために霞が関を訪問した時には、ショートケーキと紅茶が出てきたが、家業を継いで土木事務所に行ったら、とんでもないものが出てきた。 机に置いた名刺の上に出てきたのは、水虫薬を塗ったばかりの素足だった。 この人は特別ひどいうちの一人 . . . 本文を読む
日本の新聞社やテレビ局が、当局発表だけを疑問も感じずに流せるのも、単眼主義が大きな原因であろう。 まったく同じ事象でも、見る者の立場、利害関係によって、幾通りもの見方があることが分からないのだ。 自分自身の経験を鑑みても、学生⇒大学研究員⇒サラリーマン⇒家業部長⇒家業社長と立場が変わるごとに、感じ方、考え方が変わっていくことに驚きを覚えた。
先日、ブログ . . . 本文を読む
『高学歴肉体労働者』。 一流私立大卒の知り合いの新聞記者が、二十代の頃言っていた。 『夜討ち、朝駆け』で大臣などにぶら下がり取材をするのは若手記者の仕事だが、本当に二十代、三十代の働きぶりは、アルバイト並みの時給かもしれない。 スーパーゼネコンに就職した友人も、30代中頃までは、現場事務所に寝泊まりする日が半分近くあったという。 前回書いたように、若手官僚たちの働きぶりも同様だ。 もっとも、親方日 . . . 本文を読む
若い時は安月給で連日大赤字のサービス残業、40歳頃に損益が逆転し、40代後半からはハンコを押すだけ新人社員の数倍の給与を貰う。 先憂後楽の年功序列賃金では、中途採用も中途退社も基本的にありえない。 新卒採用から定年退職まで同じ仲間で仕事をする。 だから、会社への忠誠心だけでなく、社員同士の仲間意識を生み出すのにも有効だった。
『戦友の絆は、肉親の情を超える』といわれるように、同じ釜の飯を食い、滅 . . . 本文を読む
ただし、いつ倒産するかわからない中小零細では、終身雇用制はほとんど採用されなかった。 普及したのは、絶対倒産のない親方日の丸の公務員と、まず倒産はありえなかった大企業だけだった。 基本的な価値観の逆転が起きない、安定した環境が絶対条件なのである。 しかしバブル崩壊後、上場企業の倒産も珍しくなくなると、大企業でも廃止するところが多数出てきた。
先憂後楽という年功序列賃金は、終身雇用が絶対条件である . . . 本文を読む
島国という特殊な環境で形作られた日本の歴史、文化、民族性は、東アジアの国々と比較してもいろいろ特色に富む。 少し話がはずれるが、Asia、Africa、America、Arab、ヨーロッパ以外すべてAで始まるように、アジアなどはヨーロッパがつけた別称である。 だから、あまり使いたくないが、便宜上しょうがない。 中国人がつけた、東夷、北狄、南蛮、西戎のようなものだ。 国連でどこか別な呼び名を提案する . . . 本文を読む
日本人は基本的に甘えの構造で生きてきた。 なぜなら、諸外国のような本当の地獄を経験したことがない民族だからだ。 異民族の奴隷支配を受けたこともないし、歴史に占める戦争期間など、ほとんど測定誤差に近いような短さである。 中国の負の歴史に人肉食があるが、日本以外では特段珍しいことでもなかった。 日本を除き、すべての国で都市は城壁で囲まれていた。 短期に敵を打破できなければ、ろう城戦をやるためである。 . . . 本文を読む
欧米と比較して、日本のマスコミが格段に権力寄りであることは意外と知られていない。 とくに権力の中でも、行政・司法権力に対して。 政治権力には、なかなか批判が喧しいからつい見落としがちだが。
事件報道などその典型で、新聞もテレビもほぼ完全に、捜査当局の発表をそのまま垂れ流すだけである。 欧米では、基本的に捜査側、被疑者側双方の言い分を報道する。 もし仮に、被疑者側のコメントが取れない場合、自社報 . . . 本文を読む
依存心は同時に甘えである。 反抗期、親を批判する子どものようなものだ。 駄々こねまっ最中の3歳児でも、あかの他人が近くに来ると大人しくなる。 根っこの部分で相手に甘えがあるから、遠慮のない、自分を安全圏に置いた無責任な批判、反抗をするのだ。 本当に危険な相手には、おとなしく傍観を決め込む。
反日反米左翼も、まったく同様である。 アメリカの軍事力、日本政府に対する甘え、依存心があるから安全安心な日 . . . 本文を読む
戦闘経験のない世代(右も左もそして自分も)の最大の欠点は、稚心(ちぎ)を捨て切れていないことである。
自分を育んでくれた公の在り難さに気づくことが、感謝の気持ちを生み、過剰なプライドを抑制してくれるのだが、気づくきっかけのひとつは、『稚心を捨てる』ことだと思う。 稚心(ちぎ)とは幼心のことであり、幼心とは両親祖父母などの他者を頼る心(依存心)である。 橋本左内が15歳の時に書いた『啓発録』 第 . . . 本文を読む
マスコミも社会批判ばかりやっているから、感謝の気持ちが育ちにくく、結果として過剰なプライドだけが温存される。
『東大の落ちこぼれがマスコミに行く』。 東大卒の教授から聞いた話だ。 『東大の最優秀は、学者か官僚になる。二、三番手でも、「ひと旗挙げてやろ」というガッツ・気概のある奴は、三菱重工、大手商社などの実業を目指す。しかし、学者官僚になる頭も、ガッツ・気概もない臆病な奴がマスコミに行って、自 . . . 本文を読む
脳の中には、論理的思考回路(つまり理性)に情報が入る前に、好き嫌いを判断する関所が存在する。 最新の脳科学で分かった。 だから、関所で『嫌い』と判断された情報は、理性をつかさどる部分に到達できない。 つまり、人間の思考は、理性より感情が優先されていることが、脳のメカニズムで証明されたのである。他人を批判する大人が近くにいると、子どもにはろくな影響がない。 とくに、一緒にいる母親が、先生や父親の悪口 . . . 本文を読む
今日は私の新刊書の広告です。 私のブログを読んでくださっている方には、内容が重なるので、実際のところ購読を進めにくいのですが、元就出版社を応援するつもりで買ってもらえればうれしいです。
最初、建設業専門の新聞社に原稿を送ったら、談合合法化に腰が引けてしまって、あまりにも一方的な出版条件を提示されました。 ところが、元就出版社の社長さんは、拙著の内容に賛同し、快諾してくれたおかげで出版の運びになっ . . . 本文を読む
大津の学校や教育委員会に憤りを感じるのは当然が、一般論として言えば、モンスター・ペアレンツとマスコミの卑怯卑劣が、先生らの事なかれ主義(臆病)を生んだ一番の原因だと思う。
私の中小学校時代の経験から言っても、生徒指導に熱心な先生は、結構手が早かった。 生徒・保護者たちも熱心さを知っていたから、特別問題になることもなかった。 ところが、公に対する感謝を失くしたモンスター・ペアレンツとマスコミが、体 . . . 本文を読む