私がストレスがたまって塞ぎ込みそうだと勘違いされたことをいいことに,外出嫌いの連れ合いとともに当てのないドライブに出かけました.
先に書いた五百羅漢にも行けたし,宇賀渓谷?なるものも観に行けました.
そろそろ帰ると期待されていたようでしたが,大安町からさらに北の北勢町に行きました.
お客さんが去年から環境に配慮した面白い養鶏を始めたので,ドライブがてら様子を見に行きました.
運が良いことにちょうど作業中で鶏舎にいたので会うことができました.
株式会社ファーストハーネスの伊藤社長です.
産業廃棄物収集運搬業ということなのですが,伊藤社長は本当に環境の大切さ,そして中身のあるリサイクルの大切さを真剣に考えている人で,当地においてリサイクルの実践の場が必要と考え,いなべリサイクルネットワークを設立し,そして代表を務めておられます.
どの写真からも人の良さがにじみ出ていますが,本当にその通りの人で,きっと死んだら「もったいないお化け」になるのだと思います.
さて伊藤社長の宝物ともいえる愛鶏たちですが,こんな感じで平飼いにされていて,とてものびのびと生活しています.
ここの鶏舎のニワトリたちの特徴は,人間を恐れないことです.
これには他の鶏舎を訪れたことがある人は驚くことでしょう.
普通は知らない人が近づいたらパニックそのものなのです.
飼育風景を見ているとすぐにわかるのですが,伊藤社長が注ぎ込めるだけの愛情を注ぎ込むので,ニワトリが人間を好きになるのだそうです.
平飼い故のスキンシップの豊富さでしょうか.
鶏舎は徹底的に清潔.
それゆえあの傾斜独特のにおいがしないので,保健所の方もびっくりだそうです.
この鶏舎では昔あった本当のリサイクルを実現しようとしています.
「小さな生き物と共存していた昔の生活を現在に合わせて再現したいと思っています。」
というのはいなべリサイクルネットワークのトップページに書かれている伊藤社長の言葉です.
私たちの生活の中から出てくるものを鶏が消費し,その鶏から出てくる卵・鶏肉・鶏糞は私たち人間が利用する.鶏糞などは単に肥料となるだけでなく,土壌の生き物たちをも育む.
「この地球上に無駄なものなどないんだ!」という理念です.
「タマゴ有マス」
その看板だけでみんなが買いに来ます.
ある意味,すごい.
販売所の中には伊藤社長の宝物があります.
みんなにメッセージを残してもらうために置いておいたメモ.
そこに1枚だけ子供の字でメッセージが残されていました.
「ここのたまごはとてもおいしいです。」
なんとも心が和む温かいメッセージなのでしょう.
伊藤社長もこれが励みになっているそうです.
このことを話し終えると,伊藤社長は丁寧にそのメッセージを白紙の紙の下に入れました.
「ちょっと待って下さい!なんでそんなところに隠すんですか!」
と私が突っ込みを入れると,伊藤社長は全然わかっていない様子.
いつからこのメッセージがあるのかを尋ねると,もうかなり前からだとのこと.
きっとメッセージを書いても読んでもらえないから,誰も書かないんだと指摘すると,ようやく気づいてくれたみたいで,
「あ~!そうかもしれ~ん!」
と伊藤社長.
ともかく書いてもらったメッセージは目立つ所に掲示されることになりました.
帰り道,山頂から水平に光の剣が伸び雲に刺さっていました.
実に幻想的な光景でした.
こんな綺麗な景色に毎日囲まれていたら感受性が豊かになるだろうなと思いました.
そして感受性が豊かな日本人が増えなければ,日本の自然や環境を守れないのだろうなとも思いました.
これからの世の中,伊藤さんのような方がもっともっと必要です.
リサイクル環境広場
http://blog.livedoor.jp/everblue21/
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