金魚cafe

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泣き童子(わらし)三島屋変調百物語参之続

2014-12-30 22:39:18 | 読んだ本
宮部みゆき著 文藝春秋

このシリーズも三作目になります。

許婚を悲しい出来事で亡くしてしまった三島屋の伊兵衛の姪おちかさん。

あまりにダメージが大きすぎてふさぎ込んでいたのが叔父さんの代わりに三島屋の黒白の間でいろんな人の不思議な話を聞き役になることで少しずつもとの自分に戻れたようです。

百物語と題をうっているので宮部センセー百までお続けになるんのでしょうか。

魂取りの池、くりから御殿、泣き童子、小雪舞う日の怪談語り、まぐる笛、節気顔の短編からなっておりまして、心温まる話、背筋がヒヤリとする話、悲しすぎる話と、バラエティにとんでおります。

三島屋の黒白の間で話をする人というのはだた不思議な話や怪談話ではなく、今まで人に言えないもの秘めていたものをおちかさんの前で話すことによって気持ちが少し軽くなる、おちかさんはいろんな人の話を聞いて許婚を自分のせいで失ったという悲しみから立ち直れる、伊兵衛さんはそう考えたのではないかと思うのです。

宮部センセーのお江戸のワールドでこの世ものと思えぬ怪しいものが出てきますが、なぜ怪しが現れるのか?なにもないところから現れるわけでもなく、それにはちゃんと現れる理由があるのです。

納得できる理由でこの世に不思議な謎などないのだと、宮部センセーは現実的な方だと思いました。

自分の行いは良いことも悪いことも自分に帰ってくる、それを見ているのは鉄瓶長屋のお徳さんではないけれどお天道様なんだろうなあと。

今年は良いことも悪いこともどちらも穏やかに過ぎていきました。
来年も良いことも悪いこともトントンで良しとなればよいかなあと。

今年一年こちらにお越しくださった皆様ありがとうございます。

私は年末年始は休みなしで仕事となっておりまして、来年のお正月過ぎてからになると思います。

皆様に良い年となりますように。

来年もよろしくお願いいたします。<m(__)m>