金魚cafe

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「あん」

2015-06-02 23:18:24 | 映画
前に樹木希林さんのことを書きましたがその映画を観てきました。

「夫婦フーフー日記」を観た後でこれを観ると映画の撮り方がこんなにも違うのかと。

永瀬正敏さん演じるどら焼き屋「どら春」の雇われ店長の千太郎の一日から始まります。

ドキュメンタリー映画のようにカメラが近くてお店まで歩いて行ける距離のアパートからお店まで、そしてお店を空ける下準備までをセリフもなくずっとカメラを廻していました。

いろんな諸事情で知り合いに借金をし、どら焼き屋の仕事も紹介してもらったので好きで選んだ仕事でないので一日生地を焼いてどら焼きを作り売る、判で押したような単調な毎日。

何処か投げやりな感じです。

唯一交流があるのは常連の中学生のワカナちゃん。

どこか訳ありなところが自分と似ているから気に掛けています。

春、桜が満開で「どら春」のお店の通りはソメイヨシノが見事なアーケードを作っています。

そこにふらりと現れた老女徳江さん、「どら春」で雇ってほしいというのです。

手先がちょっと不自由だし、76歳という年齢で一日立ち仕事は無理だろうと断るのですが徳江さんは「どら春」のどら焼きの生地はまあまあだけど「あん」がダメだと言って自分の作った粒あんを一度食べてくれと置いて帰ります。

いきなりそんなこと言われたらカチンときますが徳江さんの「あん」は素晴らしく美味しかったのです。

そして徳江さんが「どら春」で「あん」を作るようになってお店は大勢のお客さんで大繁盛。

なぜか徳江さんは家の電話番号や個人的なことは千太郎に教えないで何かあったら手紙で連絡しますと。

めでたしめでたしで終わらないのがこの映画。

徳江さんには重い病気があってそれはもう完治しているのですが、それなのに世間は彼女が「あん」作ることを許さなかったのです。

いいことはなかなか伝わらないのに、悪い噂は広がるのが速いです。

そのため繁盛していた「どら春」はお客さんが来なくなりました。

そして徳江さんはお店に来なくなりました。

千太郎とワカナちゃんが徳江さんを訪ねていったところは1996年まで一度入所したら二度と外の世界に出れない隔離された施設でした。

ここに入ると家族とも縁を切られてしまう、亡くなったらお墓もない、そんなところが私たちに知らされずにあるというのはいいのだろうか?
と思いました。

NHKなどでドキュメント番組では観たことがありますが中の方たちはかなり高齢になってらっしゃいまして、知っている人は知っているけれど知らない人はずっと知らないままではないかと。

次にそういう事実をきちんと伝えなければこの映画のようなことがまた起こるかもしれない、どうなるのだろうと。

50年以上ひたすら「あん」を作り続けた女性の半生を知ってふっくらした生地で包まれたつやつやの粒あんのどら焼きが涙でしょっぱくなるかもしれません。














夫婦フーフー日記

2015-06-02 00:53:35 | 佐々木蔵之介さん


「1カ月前ヨメは亡くなったハズです。」とヨメの49日の法要で死んだはずののヨメがハンバーガーを食べてるところを見てしまったコウタ。

本当にびっくりすると声も出ないのですね~。

笑って泣けるコメディに可愛らしいをプラスしたいです。

二人が出会った二十歳のとき、永作さんはもちろん可愛いし、蔵之介さんの二十歳のコウタもシャイな草食系男子っぽくて可愛らしかったです。

それとぺーちゃん、赤ちゃんらしい可愛さで結婚して幸せの絶頂から病気がわかってその絶頂から落ちて行くというジェットコースターのような浮き沈みの激しいなかでペーちゃんが笑うとそれを忘れてしまいます。

ヨメユーコさんは最後まで笑顔でパワフルで亡くなってからもそれは変わらずコウタは「とにかく書け~~。」と励まされます。

その夫婦漫才のようなやり取りでどっちが死んでるんだろ??と笑ってしまいます。

蔵之介さんのコウタの可愛らしさは「間宮兄弟」や「椿三十郎」の押入れ侍が可愛いと思っていた私のランキングでその2つを押さえて1位になりそうです。

「超高速参勤交代」、「ソロモンの偽証」、「夫婦フーフー日記」と蔵之介さん走るシーンが多いですね。

監督さんたち蔵之介さんを走らせたいのでしょうか?



ペーちゃんを見つめるコウタの視線がとても優しかったです。