人生の階段ー日々の詩に託してー

ある老婆の日々ーー

姨捨山(うばすてやま)

2015年12月05日 | 日記

昔、山深く歩いていたら

不意にコンクリートの白い

建物があったりしました。

特養老人施設でした。

昔はそんなところにあったようです。

刑務所や精神病院でも

もう少し町なかにある

のに、と思ったのでした。

そして「姨捨山」という字を

よく見てください、

女性なのです、

捨てられるのは老女だったのですね。

男はもう少し早く死期を迎え

女性の看護のもとで死ぬ

ことができたのでしょう。

信州の「姨捨山」は

田毎の月で名高い

美しい風景の広がる

ところですが・・・

今はそこにーー山奥にーー

ちゃんとした施設があるのだなあと

思っていました。

最近はもっと町なかに

施設があります

いろいろと老人への

暴力沙汰があるようです。

そこで何が行われ

どんな不正が行われ

だれがどれだけ利益を

得ているかなんて

だれにもわからない

という意味では

やっぱり昔と同じ

「姨捨山」のような

山の奥に

施設があるのと変わらない

のでは

と思ったのでした。そして

私は願わくば

施設に収容される前に

本当の「姨捨山」の木陰で

満開の桜の下で

静かに死ねたら最高だなあ、

などと夢想するのです。