ピアノを弾こう🎹 国分寺市、小平市の《つぶらピアノ教室》

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リトルネッロ〜若かりし日の思い出〜

2020-09-25 20:57:00 | ピアノ教室
合唱の伴奏に行ってきました。
よく知られたイタリア民謡の
「村の娘」
軽快な伴奏と途中繰り返される印象的な部分に
一度聴くとなんとなく鼻歌が出てしまいそうな
親しみやすい曲です。

途中Ritornelloの表記があり、団員の方から
どんな意味ですか?との質問がありました。

これは14世紀のイタリアのマドリガルという
形式のことです。

マドリガルは2つあって、
14世紀と,16世紀から 17世紀初頭にかけて栄えたもので、前者はイタリアの世俗声楽曲です。
14世紀と 16世紀のものは本質的に異なり,
前者は2ないし3連の3行詩に2行のリトルネロという繰り返しがつけられ,恋愛詩,田園詩など抒情的牧歌的な内容をもつ複音楽で,詩句の部分で同じ旋律が繰返されるのを特徴とします。

この14世紀のマドリガルが、この曲の特徴的な形なのだと思います。

ritornello

イタリア語のritornoから来ています。

これは英語のリターンの語源です。

まだ若かりし頃、初めて行ったイタリアでのこと。
ローマでコンサートがあって、イタリアに行くことに。
イタリアの国営放送局RAIのラジオの方で
その放送局のホールでのコンサート。
日本のNHKホールのようなものでしょうか。

ここでは日本人の作曲家である八村義夫さんの作品で
彼岸花の幻想という曲を初演しました。
あとひとつはホールの名前は忘れてしまったけれど、
オペラ蝶々夫人の演奏会形式のコンサートでの伴奏もしました。
イタリアが誇るプッチーニ。
ちょっと緊張したのを覚えています。

それらの仕事を終えたあと、
列車や長距離バスなどを使って、
イタリア国内を歩いてみました。

その際ベローナという町から長距離バスに乗って
ガルダ湖という湖へ行く時に、バスのチケット売り場で交わした会話を思い出しました。

行き先を言ってチケットを買おうとしたら
Ritorno?と聞かれたのです。

私の知っているイタリア語は音楽用語と
オペラのアリアを少しだけ(笑)
でも、学生時代に音楽用語になる元の意味を知りたくて、イタリア語の辞書はひきまくっていましたから少しだけはわかります。
でもほんのちょっと😅

言葉もわからずに「地球の歩き方」を片手に
ツアーにも参加せず旅行しちゃうなんて、
なんと無謀な‼️
若気の至りというやつでしょうか?

リトルノ?なにそれ?

とりあえず音楽をやっているので、耳は使えます(笑)
発音で困ることはあまりなくて
わからない言葉は同じ言葉をリピートして
それは何?とか
簡単なイタリア語で質問していました。
そうすると、相手は別のやさしい言葉で言い直したり、他の説明の仕方で意味が通じるように話してくれるのと、
イタリア人はみんな親切で(親切すぎて困ることもしばしば)人懐っこいので、たいして話せなくてもなんとかやっていけてました。

そうか、往復買うのか?ときかれたんだ。

ならばと往復買っておいてよかった。

ガルダ湖周辺にバスのチケット売り場らしきものは見当たらず、買わずに行ったら困るところでした。

このritornoがリターンだとわかったのは
バスに乗ってから。
ああ、そういうことか。

街を歩きながら言葉を覚えていった、若かりし頃の思い出です。

思いがけず遠い日のことが蘇りました✨









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