VOICE of TSUCKY

ラブラドールのいる風景
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アイメイトという存在

2012-12-22 | Weblog
2012年は国産盲導犬第一号が誕生して55周年目にあたるそうだ。
55年前といえば、
あの東京タワーが生まれた年でもある。
完工式が行われ、一般公開されたのは翌年の12月24日だけれど、
設計図が完成し、定礎式が行われたのは昭和32年。
アイメイト協会と同い年なのだ。


ラブラドールといえばすぐに思い浮かべる「盲導犬」。
日本初の盲導犬はアイメイト協会創設者の育てたシェパードのチャンピィだった。

ワタシはそれまで、日本には盲導犬育成のための団体が10も存在することを知らなかった。
教えてくれたのは、つんちゃがよく行く”犬毛公園”で知り合ったガイアンぱぱだった。

アイメイト協会出身のガイアとアンバーと暮らすガイアンぱぱに
協会の案内をしてもらったことがある。
訓練士の方から、アイメイトとはどういう犬なのかを教わり、
実際に目隠しをしてハーネスで歩行体験をさせてもらった。


視覚の情報を得られないで動くということがどれほど不安で頼りないものなのか、
そして、歩行の自由が奪われるという思いを初めて体験した。
そのいわば薄氷を踏む思いの歩みを、
風を切るスピードに変えてくれるのがアイメイトである犬たちなのだった。


もうひとつ、ガイアンぱぱからお借りした「アイメイト55周年記念誌」を読んで、
印象的だったのは、「待つ」不自由。
あるユーザーの方が書かれていた次のようなことだ。
「あこがれたのは、その辺で立ち話をするおばちゃんたちが、
 じゃあね~って別れていく、そういうのをやってみたかった。」

その方はどこかへいくには常に付き添いの人を必要としていたので、
付き添いの人が自分に合わせられる時間枠の中でしか行動ができなかったのだ。
「幼いころに見えなくなった私はどこへ行くにも誰かに付き添ってもらわなければ行けませんでした。
 だからいつも人が来るのをじっと待っていました。
 アイメイトを得て何が変わったかと言えば「もう待たなくていい」ということに尽きます。」

アイメイトという呼称には協会創設者の理念が込められている。
「盲導犬という言葉からは、利口な犬が人を導いているという印象を受けやすい。
 でも、アイメイト歩行では犬は歩行訓練を受けた人からの指示で状況に応じた判断をしながら歩く。
 アイメイト歩行は人が主体となった共同作業・・・。」


一般に盲導犬といっても、
育成団体によっては定義も様々だそうで、
例えば
・白杖との併用が原則
・原則として晴眼者が同行
・限定した場所のみ歩行できる
・全盲者は対象としない
といった条件が伏される場合もあるそうだ。

ワタシの盲導犬のイメージが合致するのは、
アイメイト協会の定義
・同伴者や白杖なしで、全盲者と犬だけで単独歩行できる

訓練期間は120日というのは正直、想像よりもずっと短かったので驚いた。
でも、人もまた訓練を受け、犬との歩き方を学んで後、ユーザーとなれる。
パートナーである犬と一緒に自分が「自分の歩行」を完成させていくということなのだろう。

犬とは生活するだけで楽しい。
アイメイトはさらに共同作業の同士であり同志なのだ。

「アイはI 私」
「アイはEYE 目」
「アイは愛 LOVE」





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つっきーの木