亡くなった今も鮮やかに存在感の残る人がいる。
没後10年に寄せて出版された、妹ユリさんの書いた「姉・米原万理」を読んだ。
5月25日は命日。
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ロシア語通訳時代もニュース番組に出演していた姿を見ていたが、
自身の経験を元に、作家として書いたこの人の本を読むのが好きだった。
米原万理が書くものが、もう読めないということが実に残念。
頭脳明晰でエネルギッシュで好奇心旺盛で
それでなくても10分で精魂尽きるという同時通訳を、さらに神経を使う外交の大舞台でこなし
元野良だった飼い犬や、仕事先で一目ぼれした猫たちに限りない愛情を注いだ。
その力の源は、旺盛な食欲と動物たちへの愛情だったのかもしれない。
米原家は一族揃って、早食いの大食いだと、
イタリア料理研究家でもある妹、ユリさんがこの本の中で書いている。
食べることを楽しむ人たちは幸せな顔をしている。
ワタシはつんちゃが真剣に食べる姿が大好きだった。
見ているだけで幸せな気持ちにさせてくれた。
きっと、10年後もまだ恋しく懐かしむことだろう。
米原万理という人は10年経っても色褪せない人だ。
まあるい体とくりくりした大きな目が印象的。
広く大きな視野というのは、望んでもなかなか身に付かないものだけれど、
そんな才能を持った人という感じだ。
夜遅くに始まった首脳会談についての記者発表を生中継で見ていた。
長い同時通訳を待っているふたりは明日から始まる重要会議に備えてなるべく手短に終えたいと思っていただろうな。
通訳のせいにされないように気を使う外務省所属の通訳者は意訳にならないよう、発言を端折ったりしないという。
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アメリカ大統領として戦後初めてオバマ大統領が広島を訪問するということで、
先日、ある被爆者へインタビューしていたのを見た。
「今でも家族に会いたい、会いたいと思っている。」と語るそのおばあさんの家族への思いは被爆当時から少しも変わっていない。
71年間、毎日、亡くなった家族を思い続けているという。
体が不自由になるまで原爆記念碑に通い続け、語りべをされていたそうだ。
常に思いを寄せられている魂は、劣化しないのだと思う。
この先、毎日つんちゃを思い起こすのがたとえワタシ一人となっても、
新鮮な水を与えられる花のように、魂にも毎日思いを注いでやりたい。
そして、いつかフレッシュなつんちゃと再会できたらいいな。
同時通訳の仕事事情の裏話を苦労とともに面白く語られていた本も興味深かったけれど、
最晩年の執筆をまとめたこの本には、こよなく本を愛した万理さんのエキスが詰まっている。
闘病生活のことも出てくる。また読みたくなった。
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雷の日に行方不明になったゲンを探し続けた万理さん。
帰ってくることを願い続け、海外の仕事先からでも毎日保健所への確認は怠らなかったという。
惜しみない愛情というのは、もうここまでということはないのだろうな。
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没後10年に寄せて出版された、妹ユリさんの書いた「姉・米原万理」を読んだ。
5月25日は命日。
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ロシア語通訳時代もニュース番組に出演していた姿を見ていたが、
自身の経験を元に、作家として書いたこの人の本を読むのが好きだった。
米原万理が書くものが、もう読めないということが実に残念。
頭脳明晰でエネルギッシュで好奇心旺盛で
それでなくても10分で精魂尽きるという同時通訳を、さらに神経を使う外交の大舞台でこなし
元野良だった飼い犬や、仕事先で一目ぼれした猫たちに限りない愛情を注いだ。
その力の源は、旺盛な食欲と動物たちへの愛情だったのかもしれない。
米原家は一族揃って、早食いの大食いだと、
イタリア料理研究家でもある妹、ユリさんがこの本の中で書いている。
食べることを楽しむ人たちは幸せな顔をしている。
ワタシはつんちゃが真剣に食べる姿が大好きだった。
見ているだけで幸せな気持ちにさせてくれた。
きっと、10年後もまだ恋しく懐かしむことだろう。
米原万理という人は10年経っても色褪せない人だ。
まあるい体とくりくりした大きな目が印象的。
広く大きな視野というのは、望んでもなかなか身に付かないものだけれど、
そんな才能を持った人という感じだ。
夜遅くに始まった首脳会談についての記者発表を生中継で見ていた。
長い同時通訳を待っているふたりは明日から始まる重要会議に備えてなるべく手短に終えたいと思っていただろうな。
通訳のせいにされないように気を使う外務省所属の通訳者は意訳にならないよう、発言を端折ったりしないという。
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アメリカ大統領として戦後初めてオバマ大統領が広島を訪問するということで、
先日、ある被爆者へインタビューしていたのを見た。
「今でも家族に会いたい、会いたいと思っている。」と語るそのおばあさんの家族への思いは被爆当時から少しも変わっていない。
71年間、毎日、亡くなった家族を思い続けているという。
体が不自由になるまで原爆記念碑に通い続け、語りべをされていたそうだ。
常に思いを寄せられている魂は、劣化しないのだと思う。
この先、毎日つんちゃを思い起こすのがたとえワタシ一人となっても、
新鮮な水を与えられる花のように、魂にも毎日思いを注いでやりたい。
そして、いつかフレッシュなつんちゃと再会できたらいいな。
同時通訳の仕事事情の裏話を苦労とともに面白く語られていた本も興味深かったけれど、
最晩年の執筆をまとめたこの本には、こよなく本を愛した万理さんのエキスが詰まっている。
闘病生活のことも出てくる。また読みたくなった。
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雷の日に行方不明になったゲンを探し続けた万理さん。
帰ってくることを願い続け、海外の仕事先からでも毎日保健所への確認は怠らなかったという。
惜しみない愛情というのは、もうここまでということはないのだろうな。
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