最後の手紙・・・
優しかった息子さんの御七日のご縁にお母さんと一緒に会わせていただきました。
悲しい中にも温かな空気の中でのひと時になりました。
「ご院さん、数年前に大きな手術をする前に送られてきた手紙なんです。
これが最後だと思っていたんでしょうね・・・
こんな事が書かれてあるんですよ、読んでみて下さい・・・」
宛名書きされているところを愛おしそうに指でなぞりながら6,7枚の手紙を出されました。
「私みたいなモノが読んでいいんですか?」
恐縮しつつ柔らかな肌触りの便せんを広げ読ませていただきました。
そこには、幼き頃からの思い出の一々が書き綴られていました。
「楽をさせてあげたかった・・・」
苦労していたお母さんの背中を見てこられたのでしょう。
でも、その苦労を子どもに感じさせないような接し方。
優しく、温かく・・・
そんな育み方・・・
お父さん、お母さんに育てられ道をそれることなく歩めた人生・・・
そのこと思えば、出来ることであれば楽をさせてあげたかったのです。
また、あなたたちの子どもとして生まれたい・・・
お母さん、有難う・・・
それはそれは優しい手紙でした。
その人、そのものでした。
大きな手術を前に、このこと伝えておかなくては・・・
そう思われたのでしょう。
有難う!
この一言を・・・
優しいお母さんの目からは大きな涙が流れます。
一粒、二粒・・・
願生れ!お母さん!