2006年式 日産セレナ C25
車検入庫いただきました。どうもアイドル回転数が高すぎるようです。エンジンスタートで一気に3000rpmぐらいまで吹け上がり、Dレンジにするとまた一気に下がり、Nにもどすとまた3000ぐらいまで上がります。暖機運転だからかと思いましたが、ほかのC25とくらべても高すぎます。暖機後も高かったです。
エンジンルームを見るとバッテリーが新しく、お客様が直前に交換されたようです。
いわゆる「TAS学習ができていない」状態になっているのでしょうか?
日産の場合、TAS学習は手順を追っていけば診断機なしでもできるようですが、今回はダイアガンX431で実施してみたいと思います。モニター期間終了まで積極的に使いたいと思います。
まず故障コードを念のため検出します。
んっ?コードが入っています。しかも「ISCシステム」というアバウトな指示です。
話がそれますが、こういう点がX431の評価が低いところかと思われがちです。故障診断で重要なのは、その結果をどうとらえてどういった修理に結び付けるかが重要です。なので、このケースで大事なのはP0507がジェネリックOBDでどういった故障を示すか、メーカー固有で意味が異なってくることはないか、など総合的に判断することです。日産車でP0507はどういう意味でどう対処しなさい、一から十までご丁寧な解説はありませんが、価格やBluetooth機能にメリットを感じているので、あまり問題はないと思います。解説がなければ、調べればよいし、データストリームやアクティブテストを使って、確信を追求していけばよいのです。
具体的にはP0507は、目標アイドル回転数より実回転数が高い、という意味です。(P0506はその逆)
バッテリー交換時の詳細が不明なのでなぜ故障コードとしてストアされたのか不明です。何か不具合があるかもしれません。それか日産はバッテリー交換時にメモリー電源を取っていなければ、すべてこうなるのかもしれません。
ちなみに完全暖気時のリアルタイムデータです。
水温は90℃以上あるのに回転数は1000rpm以上あります。
次にTAS学習をさせます。機能がいくつか選択できるので指定して実行します。
いろいろと機能があります。時間の都合で試してみていませんが、メーカー固有のテストができるようになっています。
通常、車載コンピューターの自己診断機能は大きく分けて二つあるとイメージできます。一つは運転中ある一定の条件がそろうとそれがトリガーになって診断を開始します。(断線短絡チェックなどは常時診断していますが)
2つ目は、外部の診断機からトリガー情報を入力してやると、車載コンピューターにあらかじめ用意されたプログラムが起動され診断を行うケースです。
メーカーによって違うと思いますが、外部診断機がまず、通信準備のコードを送り(IDやパスワードのようなもの)、起動させたいプログラムの番号を送り、必要があればその数値も指定します。そういった一連のデータながれが、例えばCAN通信のデジタル信号として送信されています。
こういった汎用診断機でも、メーカー純正の診断機+そのメーカーの車を準備してそのデータを解析すれば、同じ作業をさせることができる、ということだと思います。どれだけ豊富な作業サポートを準備できるかは、その診断機メーカーさんの根気と努力です。
ダイアガンX431はその価格、ボディーに比較して、非常に豊富な機能を持っていると評価できます。(翻訳などの難点はありますが、英語が得意な人は、英語設定にして使った方がよりわかりやすいかもしれません)
これでTAS学習完了です。
アイドル回転数が下がりました。
故障コードも再ストアされることはなくなりました。
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