自分に甘い。

夫が自分の出てゆく日をわたしに告げた。
もう一ヶ月もない。
そのついでに、
わたしにこう言って責めた。
おまえは自分に甘いって。
.......。
あなたはどうなのよ。
そういうと、おまえはいつもそうだ。
何かというと、じゃ、あなたはどうなんだ、ばかりで、
自分を省みようとしない、って。
........。
夫はとても口がうまい。
何もかも分かってるようにものを言う。
わたしはたじたじと、精一杯言い返すけど、
結局わからなくなり、わかるまで一生考えてろと
言われて終わる。

そんなに最低の人間かのように言われた。
ハワイ行ったり、パソコン買ったり、そんなことじゃない、
とか言う。
自分に甘い。
ほんとは痛いくらいわかっている。
辛い、しんどい、もういやだ、時間がない、ばかり言ってる
人間は自分を甘やかしている、って
そんなの、夫に言われなくても知ってる。
わたしは夫には言い返してしまうけど、
わたしほど最低で、なおかつ甘ったれな人間はいないと
自覚している。
そしてこんな自堕落な生き方が決して何もならないこととか、
いい加減やめて、もっと自分を奮い立たせて生きなければ
いけないことも。
わかってるけど、心がついてこない。
仕事も大分覚えてきた。
そしたら、少しずつまわりの人もわたしをあてにするように
なってくる。
わたしの心がもっと現実をみて、しっかりすれば
とてもやりがいのあるいい仕事だと思う。
報酬も事務のわりにいいほうだし。
わかってる。
わかってるんだ。
何もかも。どうやって生きていけばいいのかも。
自分に甘くない人間なんかいるものか。
ただ、もっと自分を大切にする人間はいるはず。
わたしが心を憂鬱にして、体もしんどくなって、
疲れた、苦しい、眠い、辛い、やる気もない、と言って
時間さえあれば寝転がって、無駄にしてる時間。
その無駄な時間がどれだけ、自分を卑下しているか、
わかっていないところがきっと自分を大切にしてないんだ。
自分を大切にしないと、誰かも大切にできない。
自分を大切にすることと、自分を甘やかすことは
イコールではない。
自分を大切にし始めれば、きっと時間も大切にし、
まわりもすべて大切にし、そのために自分をたとえ犠牲に
することあっても、心も体もしんどくならないんだ。
しんどくないと、自分に厳しく奮い立たせることもできるんだ。

わかってるんだ。
夫のいわんとしてることくらい。
しんどいです、どうしたらいいですか？もうわかりません。
そんなことばかり言ってるわたしは確かに自分に甘いんだろう。
夫が出てゆくことにばかりとらわれて、
もう前が見えなくなっているわたし。
歩けないから、誰かに杖を求めるわたし。
結局なんの杖も得られないと、自堕落に自分を貶めるわたし。
こんなわたしじゃだめなんだ。
わかってる。

わかってるのに......