遠隔地農場で採取した小豆でお汁粉を作りました。
小豆の収穫祭です。
小豆をコトコト煮る事、一時間ちょっと。
小豆の煮え加減を確認して、砂糖を加えて出来上がりです。
ここまでが、小作人の作業の内です。
焼餅を入れたお椀に小豆汁を盛って、オーナーに献上します。
オーナーは遠隔農場の地主で、家内です。
選別した小豆の疵物は、朝の公園体操の折に公園の鳩たちに与えております。
公園に住み着いている鳩たちが、毎朝飛び寄ってきます。
手乗りする慣れた鳩もいます。
私にとって、公園の鳩も体操仲間です。
話題がそれてしまいましたが、「おしるこ」のことです。
私の郷里では「お汁粉」を「小豆汁」と言います。
現在、郷里も標準語が行き渡り、「小豆汁」は「お汁粉」です。
何ら、変わるところがありません。
今から半世紀前の事です。
18歳で上京し、兄と一緒に上野恩賜公園内の食堂で昼食を取りました。
食べ盛りの年頃です。大盛の親子丼を頼みました。
お新香は添えられてますが、吸い物が付いてません。
郷里では、食事にはお味噌汁が必需品です。
そんな食生活の習慣が付いてます。
「おしるこを追加してください」
「おしるこですか?」
「はい、おしるこです」
一緒にいる兄も、弟の追加注文に何ら疑問も持ちません。
何故か、若いウエイトレス嬢が半信半疑。
食堂のメニューには「豚汁」の記載があります。
大盛の親子丼と一緒にこの豚汁が配膳されることに期待を寄せておりました。
何故か、私の前に配膳されたのは、「お餅入りの小豆汁」でした。
「これ、頼んだのと違うんだけど?」
「お汁粉よ」
何の事やら、ぽかんとしていた。
それを見ていた兄が、異変に気が付いて大笑い。
兄が郷里の方言を標準語に置き換えて解説してくれた。
それを聞いた、若いウエイトレス嬢も大笑い。
カウンター内の女将さんが、起点を効かせて「豚汁」持ってきてくれました。
当時、上野駅は郷里からの上京終着駅でした。
田舎の生活習慣そのままに都会の言葉に置き換えて無かったミスマッチでした。
わが故郷では「味噌汁」の事を「おしるこ」と言い、慣れ親しんでおります。
「お」と「こ」を付けて、とても親しみ易い名称です。
日本全土、共通のものとして思い込んおったことでしょう。
お店のメニューの「豚汁」が「お味噌汁=おしるこ」での注文でした。
上野恩賜公園を訪れると、懐かしく思い出されます。
甘辛喫茶では、「おしるこ」が定番です。
自家製の小豆で作った「おしるこ」にはお砂糖以外の
半世紀も温めて来た秘伝の味付けがされてます。
それは、私だけの隠し味で秘密です。
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