それまで、サギといえば、オオタカ主役の私たちから見れば、狩の下手なオオタカ幼鳥が、自力で餌取りする手始めの犠牲者、のイメージです。多くの場合、川縁を歩いて、小魚をうまく飲み込む印象がありました…。
今年の晩夏の或る日、一羽のサギが、夕方薄暗くなっても、砂洲と竹薮の境目辺りをうろうろしていたのですが、一向に餌にあり付いた様子がありません。
すると突然向きを変えてスタスタと砂州の方へ歩み始めました。そちらには、恐らくオオタカが食べ残したであろうサギの死骸が横たわっていたはずです。(明るい間中、不思議なことにトビもカラスも口を付けなかったものです。)
思い詰めたように、横たわるサギの死骸に歩み寄り、かぶりついたのです。
しかし肉片は半ば乾いていて硬く、なかなか飲み込めない(約2.5分)。
すると、 思い付いたように水に浸けることを数回繰り返し…
…やがて軟らかくなったのか、ついに飲み込んでしまったのでした(約40秒)。
例え死骸とはいえ、如何に空腹とはいえ、自分と同種のサギを、しかも手慣れたように水で軟らかくして飲み込んだ有様は、私には初めての観察であり、先輩の誰からも聞いたことの無い事実でした。
日没で皆が撤収し、私一人残った観察定点で、深く胸にしみる出来事でした。
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