ウラ技・バレーボール技術・戦術研究会

実際に使って来た9人制バレーボールの技術・戦術のウラ技。ママさんバレー、一般のクラブチームではかなり通用しますよ。

中衛センター養成プロジェクト(その43・・・ブロックが割れたらどうする)

2011年11月28日 07時25分15秒 | レシーバーのプレー

はじめに
ブロックがうまくついてくれればいいのですが、そうもいかない場合が多々あります。
速攻のおとりに引っかかったりして、隙間が空いたりということが生じます。そういう場合の対応方法について考えます。

ボールの見え方とポジションの調整
中衛ラインからのボール見え方によって、レシーブポジションを調整する必要が生じます。
例えば同じ打点のボールであっても、中衛ラインから下図の  のように異なった位置にボールが見えるポジションがあります。
ブロックとの関係でどの位置に見えるかというのがありますし、クロス側に行くほど、ネットからのボールの高さが低く見える状態が生じます。

で、上記図のように青シャツと緑シャツのブロッカーの間が空いてしまった時、そのボールがコートのどの位置に落とされるかということを考えますと、下図のとおりとなります。
白シャツのアタッカーが○のボールをスパイクヒットするわけですがこの○が守備側のコートから見て
のように見えるボールはオレンジのゾーンに
のように見えるボールはピンクのゾーンに
のように見えるボールは黄色のゾーンに
それぞれボールが飛んで行ってコートに落ちる可能性があるわけなんです。で、このコース以外だと、ブロックに当たってシャットアウトになるか、ワンタッチで上に上がるか、はたまたブロックの側面に当たってイレギュラーしたボールが、守備側のコートに飛んで来るということになります。

ブロックの側面に当たったスパイクボールは捨てるとしても、ブロックにワンタッチして上に上がったボールはつなぎたいですし、ブロックの間をきれいに抜けてきたボールのうち、いくつかのコースについては、なんとかレシーブできないか・・・・ということで、ポジションを調整します。

そこで、仮にですね、センター攻撃に備えた守備体系が上記図のとおり、バックラインに1人、中衛ラインに3人、ブロックに5人というような形を採ってセンター攻撃に備えていた場合、ここから、オープン攻撃に備えた守備体系にフォーメーションを切り替えつつ、その中で、ブロックの隙間ができてしまったことに対応するレシーブポジションの調整をしなくてはなりません。


レシーブのポジション調整の例
そのレシーブのポジション調整ですが、例えば下図のような感じなんです。
赤シャツの中衛センター・・・・の状態にボールが見える位置に入り、ピンクゾーンに来る一番厳しい角度のスパイクに対してオーバーカット若しくはアンダーでレシーブしないといけいません。

オレンジシャツの後衛ライト・・・の状態にボールが見える位置にレシーブを張り、ストレートにスパイクされ黄色のゾーンに来たボールをレシーブします。
ただ、この場合、黄色のゾーン全体を守備するのは無理であり、その際の縦位置のポジション取りの調整は、これ以前に打たれている相手レフトオープンのタイプを見極めて的を絞らざるを得ません。
全部はレシーブできないのです。

オレンジシャツ後衛レフト・・・の位置にボールが見える位置にレシーブに入ってピンクゾーンに来る強打に備えるのですが、その場合、中衛センター(赤シャツ)の頭上を越えて、コートの角隅に来る長めのスパイクを拾うようにします。
上から見ると中衛センターと重なって見えますが、このように中衛センターが前に突っ込んでいる場合は、後衛レフトはコートの角隅に来るスパイクボールに対応できるポジション取りをすることをお勧めします。
この場所、アタッカーとしてはスパイクを打てるゾーンが広いですし、狙いやすいコースです。一方で、守る側としては足長のスパイクですと、レシーブできる可能性が出てきます。

ちなみに、指導者や選手の中に、この後衛レフトのポジション取りの状態を中衛センターと重なったポジション取りであるとして、左右どちらかに移動するよう調整しようとする方もおられますが、試合の時の相手のスパイクの決まり具合を見て、中衛センターの頭を越えてバックの角隅にスパイクが決まる場合、この場所に選手を配置するという場合も必要なのです。上から見れば重なっているようでも、横からスパイクボールの軌道の高さから見れば、重なっておらず、中衛センターも後衛レフトも両方がボールが見える位置でレシーブしていることになります。
先入観にとらわれず、実態を見て対応する柔軟な発想が求められます。

白シャツ後衛センター・・・これは青シャツのブロッカーの後ろのワンタッチやフェイントに対応するためのポジションです。
ストレートの角隅、黄色のゾーンに足長のフェイントを落とされることもありますので、それも頭の隅に意識して守ります。

その他・・・・前衛レフト(黒シャツ)はブロックの位置から一歩下がって、オーバーカットと言いますが、ジャンプしないでのブロックと言いますか、手を出してオレンジのゾーンに来るボールをしっかり手に当てるプレーに出ています。
相手のアタッカーをしっかり見て、コースを見極めて手を出します。
また、中衛レフト(青シャツ)は緑シャツのブロッカーの後ろでワンタッチやフェイントを拾う体制で守るということになります。

ポジション調整の例(その2)
これは、バックセンターがクロスの角隅をレシーブに入り、中衛レフト(青シャツ)がクロスのオレンジゾーンに来る強打をレシーブする位置に入っています。

このほかにも、アタッカーのタイプにより、センター攻撃に備えたレシーブフォーメーションから中衛センターが逆にピンクゾーンの中で、もう少し後ろに守備して、ピンクゾーンを一人で守る(人数少ないほうが返って守りやすいということもあります。思い切って動けますので・・・・)方法で対応したり、強打は中衛センターと後衛両サイドだけでレシーブする方法など、色々なパターンがありますが、
基本は、ブロックの隙間や脇に強打をレシーブする選手を配置し、ブロックの後ろににはワンタッチやフェイントを処理する選手を配置するという方法で対応していくのが、レシーブの成功率を上げることになるのです。

本日ここまでです。
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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Win)
2011-11-29 22:37:49
お返事ありがとうございます。
ポジションに入るタイミングが大事なのですね。
バックセンターも奥が深い業師の役所ですね。
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winさんへ (磯野)
2011-11-29 21:41:01
コメントをありがとうございます。
例えば、こうやって捨てるところと拾うところを決めて守るということの例で、

一番下の図の場合は例えば、勝負どころではアタッカーがクロススパイクして来るというような場合、ブルーのゾーンを捨ててクロスに入ったというような例ですね。

完全に逆を突かれてここにスパイクを打たれないよう、早く動き過ぎてもいけません。
後衛センターの見切りのタイミングとすばやい動きについて、その腕前を見せる場面です。

結論として言えることは、どっち道完璧に全てのスパイクをレシーブできるというのはできませんので、レシーブできそうなボールに絞ってレシーブする体制にするのか、それとも相手がスパイクして来る場所を絞り込んでそれをレシーブに行くフォーメーションで行くのか、ここは、チームでよく方針を決めて行くべきところですね。
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待ってました!全体のポジション取り (Win)
2011-11-29 19:58:57
レシーブ時のポジションをチーム全体で、どう取ってよいか、練習中いつもこれで良いのかな~ともやもやしていましたが、なるほどですね!

改めて、ブロッカーの重要さを認識しました。
私もブロックするポジションなので、後ろはよく見えていないのですが、ブロックを飛ぶ位置がどれだけ後ろに影響するか分かって、反省・・

ほかの機会にも色々なパターンの全体ポジションを教えていただけると嬉しいです。

ところで、一番したの図(その2)では、水色の部分はほとんど来ないと踏んで、クロスを手堅く固める作戦ですか?後衛レフトは、斜めで低くなった緑ブロッカーの上を超えてくるボールをレシーブする役でしょうか?

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