ウラ技・バレーボール技術・戦術研究会

実際に使って来た9人制バレーボールの技術・戦術のウラ技。ママさんバレー、一般のクラブチームではかなり通用しますよ。

練習のための練習(その2)・・・ワンマンレシーブ

2010年12月26日 07時58分58秒 | 速攻中心のチームを作る

はじめに
開会式直後の第一試合目で、当方は決勝トーナメント進出常連チームといきなり対戦することとなりました。
しかし、決勝トーナメント進出の常連とは言っても、優勝、準優勝のシードチームと言うわけではありません。
乗り越えるべき、最初の壁となるような存在のチームです。
相手も、それなりのアップなど準備はきちっとしてくるとは思いますが、準決勝に備えて、控えの選手の調子も試しておこうか、くらいの気持ちで来てくれることが期待できるのですね。
そこで、当方が相手の度肝を抜くような、完璧なチーム状態を示し、相手の戦意を喪失させることができれば、立ち上がりで一気に相手を潰すことができるとの思惑が芽生えたわけです。
そこで、考えたのが、開会式直後にワンマンをやって見せようという戦術でした。

「はい、ワンマンやるぞ~!」の掛け声が合図
ワンマンをやるタイミングは相手の状況や我チームの状況を見ながら、監督である私が指示します。
で、合図は私の「はい。ワンマンやるぞー!」の掛け声です。
この声一つで、選手は下図のとおりの配置に10秒以内につきます。

監督は黒シャツの位置ですね。

緑のシャツのとおり、球拾いの係を配置します。
オレンジのシャツは球拾い兼ボールをボールかごに入れる係です。
ピンクシャツは私にボールを渡す係
赤シャツはレシーバーですね。

この球拾いの分担や配置箇所は、「私はネット際」「私はエンドライン」「私はカゴの横」という具合に、どの選手がどの場所に行けばいいのかをあらかじめしっかり決めておきます。
また、ボールを渡す係(ピンクシャツ)がレシーブに入る時は誰が、その選手の代わりにボール渡しをするのかも決めておきます。
そのことで、選手は右往左往せず、サッと配置につけますし、その後の練習をテンポ良く進めることができるのです。とにかく、見場をよくしながら行う、言わば芝居みたいな面もありますから、その辺を大事にするわけなのです。

レシーブに入る順番も決めておく
もちろんレシーブに入る順番もあらかじめ決めておき、うまい人から行います。
特に動きが俊敏とか、フライイングや床に滑ってボールを上げる等派手な動きにも慣れている選手から順に入り、各選手には、前の選手が7本レシーブしたらすぐに時間を空けずに入って来るよう指示しておきます。
今回は、2番目に一番うまい選手を持ってきました。一人目で異常な音に館内の選手が気付き、二人目、三人目としっかり見る可能性があるからです。
このことによって、監督は一定のリズムで球出しを続けられ、ワンマンは実にテンポよく活気に満ちあふれた状態で行われ
るのですね。

ボールを渡す係は監督が出した左手の上にボールを乗せる
テンポよくやるのと、ワンマンの見栄えをよりよくするため、監督はレシーブする選手だけを見てボールを出します。
それで、ボールを監督に手渡しする選手は下図のピンクシャツの選手のとおり、監督が左手をサッと出したその手の上に、これまた、サッとボールを置けと指示するのです。


ここまで監督が本気になってこだわりますとね、選手もなかなかおもしろがって、中学・高校に戻った気分になり、やる気を出してきます。
結構喜んで、声も出すようになりますね。
本来、スポーツ選手は遊び心はあるのですよ。きっかけがあれば、乗ってくるものなのです。

球出し
ここは監督の腕の見せ所です。下図のとおり、レシーバーにスパイクレシーブをさせますが、「いくぞ~。オリャー!」と大声を掛けながら、下図のとおり、レシーバーの手を狙ってその選手がレシーブできる最も速いボールを打ってやります。
できるだけ大きな音を出しながら打ちますが、難しいボールではなく、レシーバーがうまいな~と見えるように、手さえ出しておけばボールが上に上がるように狙って打ってやるのですね。

スパイクボールは3本、フェイントをはコートの前後左右に散らして4本としたのですが、できるようであればトータル10本くらいまでは増やしてもいいと思います。
やりすぎると、気分悪くなりますからね、そこは適宜調整です。

また、比較的レシーブの不得意な選手については、スパイクレシーブは他の選手と同じようにやりますが、フェイントレシーブについては、高くて遠くに伸びるボールを投げ、とにかく全力でコートの外までボールを追わせるという方法でワンマンレシーブを行います。滑らせずととも、走らせるということですね。

声出し
これは、ポンさんもよく言われてますけど、とても大事なのです。で、このワンマンもこの激しい練習に負けない大声を張り上げ、カッと自分自身を奮い立たせることが大事なのです。その分、相手は委縮しますのでね。
選手全員で声を出し、体育館全体の人が手を止めて見てしまうくらいの迫力があると、この戦術は成功なのです。

おわりに
このような戦術について説明し、概要を理解させるべく実際に最後の練習日にシミュレーションし、そして大会に挑むこととしたのでした。
この戦術、試合前のプレーですから、失点することはないわけで、選手はやる気が出てくればほんとに、思い切って取り組んでうくれます。
そこで、効果がまたあがるのですね。

監督が遊び心を持ち(ポンさんの意見ですが・・・)、このような一見おかしな戦術にも真剣に取り組む、本気モードを見せれば、選手も燃え、ついて来てくれるのです。
こうして、大会前最後の練習はかなりの盛り上がりを見せて、終わったわけです。


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12 コメント

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Unknown (せれまま。)
2010-12-26 19:06:53
”控えの選手でも試しておこうか”
そうなんですよね!春や秋によく初戦で見られる光景です!
そうされると、少し悔しいのですが^^笑、そこを落としにいくという手段。
1セットを確実に取りにいくのにはいいですよね。
だからこそ、うちのチームは控え選手を余裕をもって出してあげたいがこそ、7点以上あけ、交代させるようにします。
そのために、主メンバーもがんばりますし、出たい選手も応援に力が入ります。
油断は強いチームこそ大敵!
そこにいきたいと願うチームが、ここぞとばかり目を光らせているのですから^^
返信する
コメントありがとうございます (磯野)
2010-12-26 21:27:06
なるほど・・・。控え選手の出場機会を作るためにスタメンが頑張るというシステムですね。
監督をしていると、リズムが壊れるのが怖くて、メーンバーチェンジにはどうしても消極的になってしまいますね。

ママさん選手にとって、選手だけで決めると互いが気を使う選手起用。監督が心を鬼にして取りに行くところは、取りに行くべく、先発を決めたり、好調なら交代要員の出場機会はなしにしたり、逆にレギュラーでも不調なら想い切って交代させたり、・・・・ってところを決めてやらないといけないしですね。悩むところです。
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Unknown (せれまま。)
2010-12-26 22:22:32
きっとそうだと思います。
リズムもありますが。。。そこがママさんのいいところでもあり^^
怪我や次の選手の成長も大事でもあるんですよね。
なんせ、子供が風邪をひくと試合さえ出場が危うくなるのですから。
チームメンバー数が多いと尚更で。
うまくても、練習になかなか参加できない人、
下手でも、練習や試合をかかさず参加し努力してる人。
勝ちにいきたいと、余計悩むところですが、そこはママさんですので^^
心理も働かせつつ、やらねばいけないところだと思います。
試合の流れもありますが。。。
でないと、主メンバーだけが試合なれし、どうしても控え選手が沢山いるのに、差が開いていき、”楽しむバレーボール”ができなくなるという流れになってしまうのです。
家庭や子育て、仕事をしてるメンバーが主なので、気軽に休みやすく^^なおかつやる時はやる。
うまくても、ブランクはありますし。
そこは、お互いに理解を深めつついかないと、チームバラバラという事態もなりかねません。
後はチームメンバーの温度差。
趣味程度なのか。学生みたく熱くやりたいのか。練習だけしたいのか。勝ちに行きたいのか。
うちのチームは、まず入って3か月後くらい(楽しい時に)この選択ができるようにしてあります。
勝ちにいきたくても、子供が小さいから後1年後に本気で^^とか。(それまで練習に)
部費も練習だけの方と試合参加の方と分けて、自分で決めれる形を作っております。

なるべくバレーボール以外の負担や不満を避けたいですしね^^
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磯野さん、せれままさん (ポン)
2010-12-27 03:30:15
まさしく、球出しは監督、コーチの腕の見せどころですね。磯野さんの仰る通り、難しくても駄目であって、受けているレシーバーが気持ちよく出来ることを意識しますね。本当にその選手に合わせたギリギリの球出しを意識する必要があると思います。飛びこめる人であれば、フライングして上げれそうな球出し、飛び込めない人にはサポーターを使って滑るようにして取れるような球出しをしますね。でもこれって、書いて説明するより遥かに難しいですね(苦笑)その気にさせる為には、監督、コーチの技術も必要なことだと私も思います。

それと、「きっかけ」を与える。これ私が指導する上で永遠のテーマです。(笑)人は面白いほどきっかけを与えると乗ってきますよね。磯野さんと全く同感です。「きっかけ」を与えられる指導者は選手をやる気にさせますね。

せれままさんのチームほんとに凄いですね。全国狙えるチームなんでしょうね。練習時間、選手の自覚、チーム内での意思統一。どれをとっても素晴らしいですね。

ひとつ質問なんですけど、チームに入って3か月後の選択システム??普通であればチームに入った段階でチームとしてのコンセプトはありますよね。私の場合は大会に出場する以上勝ちにこだわり、且つチーム、選手の成長を目指します。ただ、これが選択システムになってしまうと、選手の方向性に違いが出てくるのでチームとして成り立たないと思うのです。仮にAさんは趣味程度で、Bさんは勝ちにいく、最初の段階で既に温度差がありますよね。この場合せれままさんのチームはどうするんですか?チームのコンセプトは勝つバレーなので、それに合わせて下さいと言ったら、選択システムの意味がないと思うし・・・。凄く興味があります。教えてください。







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せれママさんへ (磯野)
2010-12-27 17:41:08
なるほどですね。メンバー多くて、練習時間もあれば、こういうシステムも可能なのかもですね。ポンさんが言われるように、このシステムは私も興味ありますね。鹿児島の場合は、メンバー12人しかおらず、競技に近い感じでやりたいということだったので、私も引き受けた次第なのですが、この方向性が決まらないとチームは成り立たないですものね・・・。
せれママさんのチーム、立ち上げて1年という風に聞いていたのですけれども、なかなか、ハートは熱いし、システムもさばけてるな…という感じしますね。

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ポンさんへ (磯野)
2010-12-27 17:50:41
いえいえ、監督の球出しは普通のレベルあれば大丈夫です。
ワンマンのスパイクレシーブは、あまり距離離れず、3~4mくらいでやるとかなり精度は増します。また、ピンポイントでなくても、若干ボールスピードを緩めれば、レシーバーは反応して少々は動いてレシーブします。
また、美しいレシーブボールを上げなくても、手に当たれば良し!とするくらいの感覚で行けば十分なのです。
これが、決まるとうまく見えますしね。
フェイントレシーブも、ぎりぎりまでボールに迫れば、拾えなくても、思い切り行け、活気があれば、まず目的は達成してると言えます。
結構いけるものですよ。
何しろ、鹿児島のチームは1回練習し、試合の朝小学校の体育館で1回やって、3回目が本番だったのですが、全部うまくいきましたもの…。

そんなレベルの練習です。
第一、この戦術、選手も面白がるのです。結構いいですよ。
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磯野さま。ポンさま。 (せれまま。)
2010-12-27 19:15:02
お疲れさまです!!!コメントありがとうございます。
まず最初に。うちのチームはできて1年で、主メンバーも、よその地域参加やチームでやってた方が集まり、”いいとこだけは取り入れていこう”
と作り上げたチームです。最初は、ビラ配りに声かけをし、それでもギリギリメンバーでやっと今の形を作り上げたチームです!!!(私も授乳中のため、3どお断りしましたし^^)
初心者でもやらなくてはいけないところまでもっていき、その結果、メンバー25人以上集まることができました。
で、本題ですが^^
まず大きく分かれると、選手登録するか、しないか。ということです。
(リーグ戦に出るか出ないかです)
なぜそういう形をとりだしたかというと、
1.まずメンバー集めに苦労した。
2.バレーボールをやりたくても、経験者だけ優遇してるシステムは、初心者には、練習も試合も最初はついていけなくなり、バレーボールを楽しみたいのに、できない。。という形はおかしいと考えた。(色んな方の協力のおかげでできてるので、広めるためにも入りやすい形をとった。
3.ここが重要で!まずこの年齢でまたバレーボールをやりたい、スポーツをやりたいと思う人は、進めなくても練習にはまり^^いずれ”きっかけ”を元に伸び、選手登録するからです。
4.要は、最初から温度差をつめるのではなく、(どうしてもそれをすると続きにくい)”きっかけ”で火を付けて行くのです。
5.最終に主メンバーは(選手登録メンバー)はみんな波があっても同じ勝利に向かっていけるのです!!

ママバレーの初めての練習って本当に体力のなさが浮きでます。笑。
正直、3時間!?無理!!!笑、ってな感じで!
でも、スポーツをされてきた方は中学生に戻る気分で本当に熱く燃えだします!負けず嫌いとか尚更^^
自分のできなさに腹立ちながら、もう1回、もう1回とするうちに、3時間でもものたりなく、週4でも寂しくなるのです^^
3か月は、”きっかけ”見いだし期間ですね!
もし今から登録しても、春には間に合いませんし、秋からの試合になり、段階を踏み練習できるので、初心者にはありがたいと思います。
主メンバーも仕事でこれないという月は、会費だけを、趣味バレー金額にできるという利点もあり、本当に楽しくやらせて頂いております。

主メンバーが試合や練習試合のときも、別に体育館をとり、登録外メンバーだけの練習もありますし^^
ある意味、乗せられ登録みたいな^^笑。
やはり、楽しい時に登録するほうが長く続くと思い、方向性は時間がかかってもいいと思う考えです。
バレーボールをまず楽しんで、大人になって作るチームの仲間もいいもんだよ^^と感じてほしいと思うからです。
じゃないと輪は、狭いままで。。。
最終の方向性をどれだけ温度差なく、”勝ち!”にいけるか!
永遠の課題ですか、やってみることからはじめて今に至ります。
返信する
磯野さん (ポン)
2010-12-28 02:56:17
なるほどですね。試合前のワンマン、来年試してみようと思います。ありがとうございました。
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せれままさん (ポン)
2010-12-28 03:24:46
ご説明ありがとうございます。
せれままさんのような考え方、取り組みをしている方が大勢いるのですね。でないと、25人以上なんてママさんで集まらないですよ。いや~ほんとに凄い!!それで、ある程度の年齢から始める人の心理まで読んでいる・・・これじゃ、そう簡単にせれままさんのチームには勝てませんね(笑)

私の地域の場合、田舎なものでギリギリの人数でチーム編成しているところが殆どなんですよ。試合でもコートの中に人はいても、ベンチは空っぽ・・・なんてチームも結構多くて!!
25人もいたらそれだけで目立ちます(笑)威圧感も凄いでしょうね。

磯野さん同様、県の上位チームにひと泡ふかせてください。応援しています。





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ほんと勉強になる・・・・・ (磯野)
2010-12-28 18:33:40
ブログの記事より、このコメントが勉強になりますね・・。
せれママさんのチームの話といい、睡眠時間確保に関するポンさんの話といい、新しい出会いですね。
全国には、いろいろなことやってるチームがあるのですね。
ほんと、勉強になります。
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