ウラ技・バレーボール技術・戦術研究会

実際に使って来た9人制バレーボールの技術・戦術のウラ技。ママさんバレー、一般のクラブチームではかなり通用しますよ。

全力でジャンプしたブロックは、レシーバー泣かせになる

2011年01月21日 11時38分40秒 | 速攻中心のチームを作る

はじめに
バレーボールでは瞬発力効かせて横に動くのには小さい選手が有利ですが、立体的に高さを問題にして動く場合は、高さそのものにしても、スピードにしても、身長の高い選手のほうが絶対に有利です。
しかし、1月18日の記事「高いブロックを餌食にする裏ワザ」で紹介したとおり、一応、相手のアタッカーのタイプを考えながらブロックに行かないと、反対に餌食にされたり、イライラする間に逆にオーバーネットの反則に誘いこまれたりと、結構、不利なプレーを強いられることがあるのです。
で、身長のある選手には、思い切ってジャンプしてのブロックだけでなく、次のようなブロックを指導することにしています。

ブロックは全力でジャンプするな
ブロックの指導は色々戦術考えて行うのでしょうが、私は通常から7~8割の力で跳んで、後の2~3割をタイミングや形を整えるのに力を注ぐように指導するのです。
理由は、高さと幅を一定に保つことでレシーバーの陣形が計算できるからなのですね。
これを、いつも全力でブロックに跳んで、コースがそろわなかったり、高さが違ったりすると、レシーバーもポジションが取りにくいのです。

で、ブロックの高さと幅をできるだけ一定に保つようにした上で、ブロックに当たってから、若しくはフェイントでしかボールが来ないスペースと、ブロックを抜けた強打が飛んで来るスペースを把握し、その二パターンを考えて、レシーバーを配置するのです。

このシフトを敷くには、ブロックは全力で跳ぶより、幅と高さを合わせるように跳んでもらった方が戦術として使いやすいのです。

長身選手のブロックのジャンプは半分でいい
同じチームに所属した選手に、身長1m80cmですが、腕が長く万歳したとき頭の上55cmという選手がいました。手の平が長いのです。
ジャンプしなくとも、一般男子のネット2m38cmの先端の3cm下まで手が行くのですね。
で、この選手は垂直跳び82cmでしたが、身長が自分と同じくらいかそれ以下の選手に対しては相手がスパイクした瞬間にジャンプするというブロックをしておりました。
方法は下図のとおりなのですが、


トスが落ちて来て、の位置にボールがあり右側のアタッカーが青シャツの選手のとおり、正にスパイクしようとしていても、ブロッカーは左側の青シャツの選手のとおり、ほんとにわずかに膝を曲げているだけのほとんど立った状態で待っているのです。

で、ボールが落ちて来て、アタッカーピンクシャツのとおり、これをヒットした瞬間にブロッカーもピンクシャツのとおりスッと手を出すのです。
ブロッカーがジャンプするのは、スパイクする前ではなく、スパイクした瞬間なのですね。

遅れそうで遅れない確実性の高いブロック
机上で考えるとブロックが遅れるのではないかという気がするのですが、実際に間に合うのですね。白帯に沿って両手をすり上げるように出しますので吸い込みもありません。アタッカーにとってはブロックがなかった場所にいきなりブロックが現れるという感じで、極めて厄介なブロックになります。

私は、身長の高い選手については、このブロックが絶対に有利だと考えていて、ジャンプしなくてもネットの白帯まで手が届くような選手については、通常のブロックのほかこのブロックの方法を指導し、相手に寄りますが、実戦で使わせるようにしています。

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7 コメント

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Unknown (せれまま。)
2011-01-21 14:08:56
本当に参考になります!!
なんか、私の中で、いろいろ納得できました!!!
私も、頭上から50センチあるのですが、笑。
手も白たいから少しでますし。
なかなかブロックがあわない時に、「軽くよく見て飛んでごらん?で、落ちるところまでボールの流れを見て!」
と言われ少し気持ち遅めに飛んでみると、いい感じで当たりだしました^^
時間差でも落ちかけのボールくらいは、押し込めますし。
なんか納得した感じです!!!
今度は8割を意識して飛んでいきたいと思います。ありがとうございました。
ちなみにリーチと手足の大きさは、普通の男子並におおきくて。笑。
本当に笑われるぐらいです。。
返信する
ありがとうございます。 (磯野)
2011-01-22 00:53:34
監督さんも同じようなことを言ってくれてるわけですね。
せれママさん、ジャンプせずにネットから手が出るというのであれば、Aクイックは速めではなく、やや遅めでせれママさんが合わせて打つという感じがいいかと思います。
で、打点を上げ、1対1なら絶対にブロックを外して打つ。場合によっては2枚ブロックでも外すくらいのクイックを打てるのではないのでしょうか。

また、Bクイックもですね、Aクイックと同じように少し遅め、やはりトスを見て打つというので十分効き目があるような気がします。ジャンプ力ちょっとあるならブロードのBが打てるかもしれません。後日、記事をアップしてみますね。

頑張ってください。
返信する
6人制の癖が・・・ (風眠)
2011-09-22 11:26:24
 ママさんバレー20年のチームです。
大型選手が3人居て 前衛でブロックをするのですが、ことごとくバックに返ってくるボールは絶対って言っていいほどレシーブできません。 それもこれも 6人制でのブロックの意識が抜けきれず、ここ一番の時にミスをしてしまいます。
口をすっぱくして言っても、練習を工夫しても改善は見られません。
 どのような練習、または意識でやればいいか
具体的に教えていただきたいです。
返信する
風眠さんへ (磯野)
2011-09-22 17:53:41
はじめまして、コメントありがとうございます。
今、6人制から9人制へ転向した選手のブロックのオーバーネット対策について記事をアップしているところで、この後、ブロックの練習について記事をアップしてまいりますので、ブロックについては、これを参考にしていただくといいかと思います。
また、レシーブとの連携を保つ練習方法や戦術については記事をアップいたしますので、少しお待ちください。
オーバーネット対策の後に、スパイクフォームに関する質問があるので、それについて、少し記事アップした後に、風眠さんの御質問に関する記事をアップしていきたいと思います。
ブロックとの連携ではブロッカーが止めに行くのかコースを塞ぎに行くのかというところがひとつポイントになり、レシーバーはブロックの陰になる箇所と、ブロックの上や横を抜けて来る強打について分けて考えるというのが、まずあります。
ただ、理屈は分かってもですね、なかなか練習はつまないとうまくいきません。
それから、記事の準備をするに当たり、もう少し下記の事項について現在の問題となる状況を教えていただけませんか?
書ける範囲で結構なのですが・・・

1・・・相手のアタックボールのレシーブができないというお話ですよね。

2・・・攻撃はどこからのものでしょうか?特定できていますか?それとも、全体的にということでしょうか?

3・・・現在注意を与えている内容やこの問題解決のためにしている練習ははどんなものでしょうか?(記載できる範囲で結構です。これで、状況が想像できますので・・・)

4・・・6人制のブロックの意識が抜けずにここ一番でのミスというのは、オーバーネットや吸い込みということでしょうか?それとも他の問題があるのでしょうか。

この辺が分かると、風眠さんのチームにより適した修正方法があるかもしれません。
まったく素人が練習するというのとは違うと思うのですね。
で、分かる範囲で結構ですから、お話いただけないでしょうか。
もちろん、なければないで一般的な連携や練習方法についてお話しようとは思いますが・・・



返信する
ありがとうございます (風眠)
2011-09-30 00:48:05
 ご親切なコメントありがとうございます。
返信遅くなりまして申し訳ございません。
 磯野さんからのご質問にお答えいたします。
1・の「アタックボールのレシーブが出来ない」と言うのは、身長がバラバラの理由もあるかと思いますが、2,3人のブロックが合わなくて 手と手の間を抜けてきたり バックに返ってくるボールは 予想も出来ない所に飛んできます。
 2・の攻撃は全体的にですが、特にセンターからの攻撃はどこが抜けてくるのか分からないくらいです。
 3・はブロッカーに対して 手のひらを上に向け、隣のブロッカーと付けるように飛ぶように・・・・その他色々注意事項はありますが
 意識できるのはせいぜい一つか二つくらいです。

20年以上もバレーボールをやっている仲間にあまりクドクド言いたくはありませんが
 どうしてこんなに6人制の意識が抜けないのか?私には分かりません
 ちなみに私は 現在ハーフのポジションとセッターをやってます。

ホント・・・磯野さんに来ていただいて教えていただきたいくらいです(涙)
返信する
風眠さんへ (磯野)
2011-10-01 09:20:40
了解しました。
できるだけ、早く記事をアップさせていただきます。
なまじっかバレーボールの経験があるだけに各自がこれまでの経験に基づいた思い思いのぷれーをしてしまってチームとして成立しないというのがあります。

個人的な技術は問題ない。でも、プレーの判断が各自の判断に基づくだけではちぐはぐになります。

フォーメーションはチーム事情によっていろいろあるわけですから、ブロックひとつをとっても、止めに行くのかコースを塞ぎにいくのか、チャンスボールと見るのか、スパイクと見るのかといったところの意識をできるだけ一緒にするようにしないと、ちぐはぐなチームプレーとなってしまうと思います。

その辺の意識を含めた具体的なプレーや練習方法についてお話します。

また、記事の順番ですが、9月初めにアタックに関する質問がなされているので、これについて記事をアップし、その後風眠さんのブロックとレシーブのコンビについてお話したいと考えていますが、ブロックとレシーブのコンビに深く関係するレシーブに関して、オーバーカットでスパイクレシーブしたいという御質問が来ていましたので、話の都合上この記事をアップし、それを踏まえて風眠さんの抱く疑問にお答えしていきたいと考えます。
どうぞよろしくお願いします。
返信する
ありがとうございます (風眠)
2011-10-01 16:12:36
 とても分かりやすいご回答ありがとうございます。
 このサイトを利用させていただいて、ますます理論的に頭を使う事が 大切な事を思い知らされました。
 何歳になっても 自分の限界を作らず
次のステップに挑戦する事は とても大切な事だと思いました。
 記事を楽しみにしています。
これからもよろしくお願いします。
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