新面接制度に関するお話をここまでしてまいりました。
いよいよ、本日、最後です。
この面接制度は幹部職員や本部から若干の反対意見や問題視する意見が出されましたが、私がこの面接制度を提案するまでには、私自身毎日工場や事務所を巡回する中で現場第一線の職員と直に雑談しながら考え、惻隠にも若干の話をし、高評価を得ておりましたので、かなりの確率で成功するという雰囲気は感じておりました。
若干、幹部の面目を潰した感じにも見えるこの制度ですが、面目が潰れた感じの幹部というのは、これまで手抜きをしてきたり、部下を大事にしなかったり、あるいは仕事には長けているが、部下のハートを掴むというのはやや不得意というタイプの皆さんたちです。
しかし、これも決して悲観することはありません。
それぞれ得意な分野があって、人にあれこれ助言するのは嫌いであるが、黙々と仕事をするのは得意という職人のような幹部もいるわけで、それはそれで貴重な存在なのです。
皆ができるところで力を発揮しあって、実質的に職員の問題が解決できる体制を整えようとしたものに他ならないわけです。できることをしながら組織を回してもらえばそれでいいわけです。
運用の結果は、案の定大好評でした。
今までに見えていなかった、職員の人間関係が見えたこともありました。
若手職員から上司によるパワハラの相談が出て、これを密かに調査しようとしていたら、パワハラを指摘された張本人である幹部職員もまた若手に接する方法が分からず悩んでいるという相談をしていたことが判明しました。
これなどは幹部の誰もが、今までに気付いていなかった事情です。
これは、すぐに配置換えをすることで対策を講じましたところ、本人たちはもちろん、二人を取り巻く周りの職員も「助かった・・・」と安心発言をするに至りました。
こうしていくつかの新たな問題が判明して、これに手ごたえを感じた、一般職員から選出された面接官たちも「この制度を継続し、自分たちの職場は自分たちで守って行きたい」と述べるまでになったのです。
奇抜な発想の下に作った面接制度でしたので運用までには色々大変でしたが、やはり手を掛けて作った制度だけに、効果はかなりあったと思います。
形だけでなく、親身になって職員に寄りそうという姿勢が大事なんだと思うのです。面接の技法や助言の善し悪しの前に、一緒になって悩み、力になろうとするその姿勢こそが、職場の雰囲気を良くし、不詳事故も防止もできるものだとおもうのですね。
そういう取り組みは、幹部よりも、地元の職場でずっと働き続ける、一般職員の方のほうが良い場合もあるということを忘れてはなりません。
以上です。
お付き合いありがとうございました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます