かれこれ1ヶ月前くらいの話です
今頃書いているのって言われそうですが最近手の遅い私ですみません
2018年10月29日にベネチアは歴史(3位か4位)に残る大水害に見舞われました
日本のテレビニュースでも報道されただけあって
友人&知人&ラルベロのお客様からも状況を心配するメールを沢山頂きました!
皆さまにはご心配頂き本当にありがとうございました
やはりこの水害についてはしっかり記録に残しておこうと思い
つらつら書きはじめました
アクアアルタ(水害)はベネチア島内で一番地盤が低いサンマルコ広場が
頻繁に浸水するので有名なのですが
今回は半端ない高さで記録では156cmと発表がありました
ベネチア島内の75%が浸水するという大災害でした
我がショップラルベロはPinoが購入当時に多少では浸水しないように
入口に段差をつけてアクアアルタ対策をしており145cm位までは
まず大丈夫なおですが今回はさすがに浸水してしまいました
Pinoがラルベロをオープンして以来初めての浸水となりました
幸か不幸か浸水が最大に達するのがお昼の14:00頃という事だったので
何とか店への浸水を防ごうとPinoと二人長靴はいてお店に出かけました
水上バスでリアルト橋に着く手前船からみた風景
ゴンドラに乗っている人もいればカフェでお茶している人も
運河との境目がわからない道を歩いている人(危ない)
きっとこの日は運河に落ちた人続出だったのでは?
水上バスの降り場には渡し板(パッサレッレ)がひかれているも
スーツケースを持っての移動は至難の業
アクアアルタになれっこの停留所前のカフェ
靴屋さんも浸水
ホテルも浸水しながらチェックイン
そしてこんな時でも犬の散歩
このワンちゃん嫌がってもいなかったけど嬉しそうでもなかった
きっとアクアアルタの度に連れ出されているんじゃないかな~(笑)
“あ~またですか~”って言うワンちゃんの声が聞こえてきそうでした
そして物好きな私はこんな中パンを買いに行くことに
パン屋さん浸水しながらも営業していました
私だけじゃなくちゃんと買いに来ている人もいてましたよ
無事にパンをゲットしてお店向かう途中
長靴の中に水が入らないようにゆっくり歩いていたのに到着直前に撃沈
長靴に浸水!
今回のアクアアルタは私のひざ下の長靴では対応不可能でした
その後一日中水の入り込んだ長靴を履いていたため足はもうフニャフニャ
気持ち悪かった~
到着したお店前はこんな感じ想定よりひどい状態
店内は入口段差でぎりぎり浸水がとまっている
このまま水位が上がらないこと祈っていたのに時間とともにドンドン水かさが増える~
店前はまるで川の状態
やっぱりこのくらいの長さの長靴必要だった~
とまれ~そこで止まって~と思っていたらとうとう店内浸水
と同時にPinoが
“かなえ~ 後ろから浸水している~”と
振り向くとなんと店内奥から浸水
ひえ~一体どこから水が入り込んでいるのかさっぱりわからず
まさかの店内奥からの浸水にPinoも唖然
心配なのは大事な仕事道具 “窯” これが浸水したらもう死活問題
じわじわ迫る水かさにハラハラドキドキしながらも
とにかく被害を少なくするために掃除機など電気製品を椅子の上に
棚の一番下の引き出しも上に上げできることは全部やった
しばらく呆然としていると
ふと店前を通る人が私にむかって隣の建物を指さす
“表をみて~”というしぐさでふと見ると
なんと隣のドラックストアーの入口から煙が出ている
どうやら漏電によるショートで火事が発生した様子
しばらくするとラルベロ店内にも異臭と黒煙が充満
そして何やらポンポンと爆発する音が聞こえてきたと同時に
ラルベロもブレーカーが落ちて電源喪失
歴史に残るアクアアルタと隣の火事でラルベロまで延焼したらどうしようと
ドキドキしながら表に避難
店の上の住人は泣きながらパニック状態で避難
ちょうどお店の裏側にあたる分がドラックストアーの倉庫になっていて
そこからさらにひどい黒煙がもうもうと出ている
取扱い商品にアルコールがあるだけに引火したら一巻の終わり
ハラハラドキドキ早く来て~消防車(消防船)
20分ほど待ったかな~やっときてくれた消防隊員
消火をまっている間に水かさも下がりはじめ(水は3時間ほどで引く)
結局ボヤ程度で収まりまだ異臭が残る店内にてロウソクともして
食べ損ねたランチ(夕食?)をしっかり食べてから帰宅
疲労困憊の一日でした
それにしてもよくあったな~ロウソク
翌日はベネチア島内は日本の年末のような大掃除
ラルベロは床が濡れた程度ですんだのでお掃除もさほど大したことなかったけど
近所のレストランなどはみな店前に道具だしてお掃除
業務用の冷蔵庫が浸水してしまった向かいのお店の人
“大変だね”と声かけると
“ベネチアだからね~仕方ないよ”って笑顔で対応
それにして皆たくましい!
ちなみに今までベネチアで一番浸水したのが1966年の194cm
当時15歳だったPino “水がひくまで3日かかった” と
この時は世界中がベネチアが沈んでしまうと心配し、
イタリア国内でもベネチアを守るため外海に面する所に「モーゼ」
と呼ばれる島内に流れ込んでくる海水を防ぐ自動式の壁のようなもを製作開始
税金つぎ込み52年経った今もまだできてない
まさにイタリアンな話です
仲良しの御年88歳になるベネチアの御婆ちゃんは
“私はその時病院で働いていてね、使命感で胸元まで水につかりながら出勤したよ
体が冷え切って寒かったよ”って話してくれました
ベネチアは海と街が結婚して生まれた街
アクアアルタはベネチアにとっては運命共同体
そしてここに住む人はそれを全部受け入れて生きて行かなければならないのだと
実感した出来事でした
いつもならこの時期はPinoと二人日本ツアー中だったのですが
今年は帰国しなかったので何とか対応できました
何故だろう?胸騒ぎ?
私は夏の終わりくらいから“今年はひどいアクアアルタが来そうで怖い”と
何度もPinoに言ってました、まさか本当になるとは
今シーズンの1発目がこれ、最初で最後であって欲しいです
ちなみにリアルト橋のカフェにあった昔の写真
1966年の時の写真の様です!きっと何日かたったあとでしょうね
Face Bookのページですが
サンマルコ広場の様子です完全に海状態 → ここ
ムラノ島の様子 まるで津波 → ここ