ラルベロ:Pinoの元には毎年いろんな方がいろんな要望を問い合わせてこられる
基本オーダーは受けないPinoですが
自身にとって挑戦したいと思うものは「やってみる」といって引き受けることがあるのです
過去にもありましたね
「遺品の腕時計」① → ここ
「遺品の腕時計」② → ここ
「Piさんに課された宿題」→ ここ
今回は2023年の春の出来事
ローマ在住の音楽家:バイオリニストさんからの依頼
私がお店で一人留守番をしていた時ふらりと来店されました
「Veneziaにきたらこのお店でいつもカフスを購入している」と言われ
今回もご購入して頂きました
いままでラルベロでいくつか購入されていたようでそんな流れからいろいろ話していくうちにこんな質問が
「実は僕音楽を生業にしていてバイオリンを弾いているんだけど自身のバイオリンに飾りを付けたいと思っている」と
話を聞くとこんなバイオリンパーツの先に赤いガラスを張り付けたいとのこと
聞いている限りではPinoならできそうな話
翌日に再来店して頂き直接Pinoと話してもらう事になりました
じっくり話込み依頼を受けたPiさん
こんな感じに仕上げました
つけたらこんな感じ
横からみるとこんな感じ
全部で8個必要とのことで
せっせと仕上げてローマに発送
到着後大喜びの御礼の電話ありました
是非バイオリンに張り付けた状態の写真を見せて欲しいとお願いして受注完了
それから数か月して彼が再訪
どうだったかと聞くと「ちょっともう少し調整をお願いしたい」と
Ka「えっ調整?これ以上どんな調整?」と聞いてみると
バイオリニストにとって重さはとても重要で少しでも重くなると演奏に支障をきたすので
このガラスをもっと薄く軽くしてほしいと
Ka「指先で持つもの大変なガラスパーツをこれ以上薄くするって、、、、Pinoとうするんだろうか?」と思っていた私ですが
Pi「うーんかなり大変だけどやってみる」と
で仕上げました一つずつ自身の指をすり減らしながら薄く薄く
こんな感じに
Pino曰く「ミラクルだ~できた~」と
並べてみるとよくわかりますね 平たく薄くなりました
これで問題の重みも解消です再度ローマに送ってまた数か月たって
送られたきた写真がこれ
わ~素敵に仕上がりましたね!オリジナル~💕
これだけ薄かったら演奏も問題なくできますよね!
あとあと話を聞くとこの赤色をまさかムラノガラスで表現できると思っていなかったと
自分が希望するもの(深紅の赤色)は日本の漆塗でしか無理だと思っていたと
でもラルベロで商品を見ているうちにこの真っ赤な漆のような赤色に目がとまり
もしかしたらガラスでできるかもとダメもとで依頼されたようでした
イタリア人ファンタジーあふれていますね~
この方もPiさんも固定観念にこだわらないところがイタリア人DNAですね!
という事で世界で一つムラノガラスが飾りでついたバイオリンが誕生いたしました!
ちなみにこの赤色のベネチアンアガラスは本当に漆塗りのような深紅の赤色です
ガラスでここまで深くて綺麗な赤色は探してもなかなかないんですよね