ソプラノ和泉聰子の『おんがくのいずみ』~うたの心をあなたに~

ソプラノ歌手・ボイストレーナーの和泉聰子のブログ。HPは http://lulu-hikichan.jimdo.com

すごいぞ、アントネッロのエウリディーチェ!

2016-01-23 22:24:24 | 演奏会レビュー
今日は川口リリアにカッチーニ作曲 歌劇 『エウリディーチェ』を観に行きました(*^^*)



研修所同期の和田ひできくん、その奥様で天守物語でご一緒した末吉朋子さんも出演されていましたが、もともと私がアントネッロを知ったのもこのお二人がアントネッロと一緒にリサイタルをなさった事があるからでした。


アントネッロ、とは
古楽アンサンブルのグループで中世から17世紀のヨーロッパ音楽をレパートリーとし、とプログラムにあります。今回
音楽監督、指揮、そして指揮の合間にリコーダーソロも演奏なさった濱田芳通さん、ヴィオラ・ダ・ガンバの石川かおりさん、本日は残念ながら急病のため欠席となったチェンバロの西山まりえさんが中心メンバーでしょうか。今日は本来通奏低音のみの楽譜に弦、管楽器を追加しての素晴らしい演奏でした。


歌手の皆さんの歌ももちろん素晴らしいのですが、土台となる音楽が躍動感に満ちて、時には勇ましく、時には甘く優しく、本当に柔軟に表情を変えて素晴らしい‼️前述のお二人のリサイタルの時も素晴らしいと思ったのですが、今回は音楽監督の考えで追加した楽器やカッチーニの新音楽からの曲を付足したりということも含めてバロック音楽の面白さを堪能しました。


カッチーニの新音楽は昔、日本オペラ振興会のバロック研究会で扱って頂いたので牧野先生のご指導のもと、みんなで分担して公開レッスンを受けたことがあります。カッチーニのトリルの入れ方なども教えて頂いたので今日の演奏はその実演としてもよく理解できました。付足されて、彌勒忠史さんがお歌いになった amor c'attendi はその研究会最後の演奏会で私が歌ったもの*\(^o^)/*

素晴らしいお手本を聴かせていただきました。


歌手の皆さんは本当にそれぞれの持ち味を生かして素晴らしい歌唱でした。バロックの歌を練習すると技巧的なものをいかに美しく歌うかとばかり気がいってしまうけれど、今日の演奏を聴くと、感情が揺れるから細かい装飾がついたり、アジリタが凄かったり、芝居にそくした、まさに気持ち次第の即興の音楽なのだと思いました。

それからカウンターテナー‼️
生で聴くのは初めてでしたから感動しました。女声と男声のいいところを併せ持っている。


あんな風に自由に、柔軟に歌いたい‼️

高音も低音も、お芝居の中で自然に出せるようになりたい‼️

素敵な舞台を観ると
自分もそうなりたいと思ってワクワクします。もちろん、それで上手くなるわけではないけれど、だからこそ歌い続けている。まだまだ自分を磨きたくてやめることができない。

あんな風に素敵な歌を、歌えるようになりたい。

あんな風な素敵な舞台に立ちたい。

そうなれるように
素敵な自分になりたい。


久しぶりに興奮するような舞台でした👏👏